投資と出資と融資の違い

日常のビジネスシーンにおいて、またニュースや新聞記事などにおいて、「投資」や「出資」、「融資」という言葉をよく見聞することがあります。この三つは、どれも資金調達に関係する言葉ですが、それぞれ意味が大きく異なっているのをご存知でしょうか?

一般に投資と出資と融資は、資金調達の仕組み面で大きく異なるため、特に金融業務や財務業務などに携わる方は、その内容をよく理解しておくことが必要です。ここでは、投資と出資と融資について、その概要や違いを簡単にまとめてみました。

投資について

投資(とうし)とは、将来の収益(利益)を期待して、資金を支出することをいいます。これは、世の中で広く使われる用語で、何らかの利益を得る目的で、事業や不動産、有価証券などに資金を投下することを指します。また、経済学では、資本ストック(実物資本)の増加分のことを指します。

●資金調達における投資

資金を受ける側は、事業に必要な資金を調達するのが目的なのに対して、資金を出す側は、事業から得られる配当収益や投資先企業の将来の株式売却益などを目的としている。

●事業活動における投資

業種によって資金を投じる対象が異なるが、具体的には、将来の事業拡大と利益成長を図るために、設備投資や研究開発投資、資源権益投資、商品開発投資、店舗投資、ブランド投資などが挙げられる。

●資産運用における投資

中長期の視点で、株式や債券、投資信託、ETF、ETN、REITなどの「金融資産」、貴金属や不動産などの「実物資産」に資金を投入して、中長期のスパンで収益(インカムゲイン、キャピタルゲイン)を得ることを目的としている。

出資について

出資(しゅっし)とは、資金や資本を出すことをいいます。これは、法人や組合が事業を営むために必要な資金として、金銭その他の財産、労務、信用を出捐することを指し、各種の会社や組合などについて、法律上、本用語が使われています。また、株式会社における、株式(自己資本)の払込みも出資に該当します。

一般に出資は、企業の資金調達面において、将来の返済義務がないというメリットがある一方で、第三者が経営に関与することになるほか、業績が上がった場合、コストが融資より大きくなるというデメリットもあります。

融資について

融資(ゆうし)とは、金融機関等が資金を融通して貸し出すことをいいます。これは、資金を必要とする法人や個人などに対して、将来における返済の約束のもとに資金を供与し、利用可能にする行為を指します。例えば、銀行において、法人向けでは、運転資金や設備資金、賞与・決算資金などが定番であり、また個人向けでは、住宅資金や教育資金、自動車取得資金、アパート建設資金、小口資金(キャッシング)などが定番となっています。

一般に融資は、企業の資金調達面において、ニーズに合わせて資金が借りられ、また第三者(金融機関等)から介入(経営面の口出し)を受けない一方で、将来の元本返済と利息支払の義務があるほか、経営面で不安(延滞等)が生じた場合、融資の打ち切りや貸出金の回収などを迫られるというデメリットもあります。

投資と出資と融資の違いについて

投資と出資と融資は、どれも二文字目に「資(し)」という文字が入り、一見似ている感じもしますが、実際は大きく異なり、以下のような違いがあります。

●投資

将来の収益を期待して、資金を支出すること。日常において、幅広い意味で使われる。

●出資

資金や資本を出すこと。主に企業や組合、出資者などで使われる。

●融資

金融機関等が資金を融通して貸し出すこと。借りる側から見た場合は、「借入」や「ローン」とも呼ばれる。