商品先物取引

商品先物取引は、将来の一定時期に、貴金属や非鉄、農産物、エネルギーなどの商品を受渡し(売ったり買ったり)することを約束して、その価格を現時点で決める取引をいいます。これは、証拠金型の取引で、将来の約束期日以前であれば、いつでも反対売買(買っていたものを転売、売っていたものを買い戻し)をして、取引開始時点と反対売買時点の商品価格の差額(支払う代金と受取る代金の差額)を清算すれば、商品と代金の交換を行わずに、取引を終了(差金決済)することができます。

一般に商品先物取引では、商品の交換をすることなく取引ができるため、買い契約をした場合でも商品を受取らずに済み、また手元に商品がなくても売り契約ができることから、相場動向に応じて「買い」だけでなく「売り」でも取引を始めることができます。また、取引に入る段階で必要な資金は「証拠金(担保金)」だけであり、これを預託することによって大きな取引ができるレバレッジ効果があるため、ハイリスク・ハイリターン型の取引となっています。

商品先物取引でオルタナティブ投資

21世紀に入って、商品先物取引は、大きく変わったように思います。かつては商品先物というと、強引な営業と不透明な投機的取引で、顧客にとっては必ずしもフェアーな取引とは言えませんでした。一方で、昨今では、インターネットの普及と情報技術の革新で様々な資産運用が簡単にできるようになる中、証券会社が商品先物や商品CFD取引を取り扱ったり、また商品先物のネット取引が身近になるなど取引環境は確実に改善・進化しています。

一般にコモディティ(商品)は、株式や債券などと異なる値動きをするため、オルタナティブ投資(代替投資)として海外ではよく活用されおり、今後、日本においても資産運用が多様化する中で、一つの選択肢として少しずつ受け入れられていくのではないでしょうか?

商品先物取引の取引方法

商品先物取引は、法律に基づいて設置された「商品先物取引所」で行われ、投資家は商品取引会社(商品取引所法に基づく許可を受けた会社)に取引を委託して行うことになります(取引口座を開設して、インターネットや電話などで取引)。その際に、最低の投資資金として、取引総額の5~10%程度の取引本証拠金が必要になります。

なお、投資家が商品取引会社に預けた投資資金(取引本証拠金を含む)は、商品取引員を通じて日本商品清算機構に預託され、商品取引員の財産とは別に保管されることになります。

・買付け:商品を買って代金を支払う契約
・売付け:商品を売って代金を受取る契約
・新規買い:買付けて取引を始めること
・新規売り:売付けて取引を始めること
・建玉:取引が成立した契約のうち未決済の契約
・買建玉:買付けによる建玉のこと
・売建玉:売付けによる建玉のこと
・差金決済:反対売買をして価格変動から生じた差額分を決済
・仕切り:差金決済で取引を終了すること

商品先物取引の主なポイント

商品先物取引は、慣れるまでに少し時間がかかりますが、その仕組みをよく理解すると、商品先物相場(コモディティ)というバラエティに富んだ投資機会で収益を上げることができます。

<商品先物取引の魅力>

・金や銀、原油、トウモロコシ、小麦、米などが取引できる
・オールタナティブ投資として収益機会がある
・短期間で大きな収益が得られる可能性がある
・買いからも売りからも取引ができる
・少額の資金で取引ができる(レバレッジ効果)
・売買単位が小さいミニ取引もある

<商品先物取引の注意点>

・投資資金の元本保証は全くない
・ハイリスク・ハイリターン型の取引である
・相場見通しを誤り、一定以上の損を出した時に追証が発生する

商品先物取引所と取扱商品

商品先物は、商品先物取引所(コモディティの市場)を通して取引されます。これは、証券会社が証券取引所と投資家をつなぐように、商品先物取引会社が商品先物取引所と投資家をつなぐ役割をしており、現在、日本には「東京商品取引所」と「大阪堂島商品取引所」の2カ所があります。

一般に商品先物取引所には、現物商品の価格変動に対するリスク回避、公正な価格の形成、生産(需要)と消費(供給)のバランス調整の3つの機能があり、また投資家はヘッジ取引だけなく、投機的取引もできるようになっています。

東京商品取引所(TOCOM)

金(標準、ミニ)、ゴールドスポット、金現物取引、金先物オプション、銀、白金(標準、ミニ)、プラチナスポット、パラジウム、ガソリン、灯油、軽油、原油、ゴム、とうもろこし、一般大豆、小豆 他

大阪堂島商品取引所(ODE)

コメ、とうもろこし、米国産大豆、小豆、粗糖

商品先物取引の取扱会社(ネット大手)

2000年代以降、商品先物取引業界は淘汰や廃業が進み、現在、オンライン(ネット)取引の大手としては以下の会社があります。

・楽天証券:マーケットスピードCX
・日産センチュリー証券:アクセスCX
・北辰物産:D-Station(セルフ、プレミアム)
・フジフューチャーズ:Venus(ヴィーナス)

商品先物取引の基本事項

商品先物取引は、他の金融商品と相関性が低く、商品取引所(商品市場)で取引する場合に活用します。

取扱機関 商品取引会社、証券会社
商品種類 貴金属(金、銀、プラチナ・・・)
農産物(とうもろこし、大豆、小豆・・・)
エネルギー(ガソリン、灯油、軽油、原油・・・) 他
リターン キャピタルゲイン(差金決済益)
リスク 価格変動リスク(先物価格)
レバレッジリスク(少ない資金で大きな取引)
関連マーケット 商品市場、外国為替市場 他
取引単位 商品毎に取引単位あり
注文方法 商品、限月、売りor買い、成行or指値、枚数・・・
取引手法 アビトラージ、スプレッド、ストラドル・・・
税金 申告分離課税(雑所得)