転換社債型新株予約権付社債

転換社債型新株予約権付社債(転換社債)は、英語名を「Convertible Bond(CB)」と言い、発行時に決められた条件で、いつでも株式に転換することのできる社債をいいます。

2002年4月の改正商法の施行により、従来の転換社債と従来のワラント債とは債券種別が同一となり、法律上の名称は共に「新株予約権付社債」に統一されましたが、この二つを明確に区別するために、「転換社債型新株予約権付社債(転換社債)」という呼び方が使われることが多いです。

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転換社債型新株予約権付社債の仕組み

転換社債型新株予約権付社債は、「株式に転換できる権利」が付いている社債で、発行時に決められた条件で株式に転換することができる一方で、半年あるいは1年毎に債券として利息を受け取ることもでき、また転換しないで満期まで持てば額面償還されます。

株価転換価格(行使価格)を上回ってくれば、株価に連動して値上がりし、逆に株価が値下がりした場合でも債券としての価値が下値を支えるため、株式ほど値下がりするリスクは少ない。

◎通常、債券の利回りが株式の配当利回りより高いことが多く、また日割りで利息が付く。

転換社債型新株予約権付社債の主なポイント

転換社債型新株予約権付社債は、株式と債券の2つの性格を併せ持った、企業が発行する社債の一つで、主なポイントは以下のとおりです。

・株式に転換できる権利が付いている分、普通社債よりも利率が低く設定されている(利率は発行時点で確定する固定金利)。
・予め決められた価格(転換価格)で株式に転換して売却することにより、値上がり益を得ることができる。
・株価が上昇しなければ、社債のままで保有することで、償還まで一定の利子が得られ、償還時に元本が額面で償還される。
・転換社債自体の価格が株価と連動して上下するため、転換社債そのもので値上がり益を狙うこともできる。
・転換価額を株価の変動に応じて上下に修正できる条項のある「転換価格修正条項付転換社債(MSCB)」と呼ばれるものもある。
・新株予約権を行使された発行会社は、予約権を行使したものに対して、新株を発行するか、または自己株式(金庫株)を交付する。
・パリティ乖離率が高ければ高いほど株価との連動性は低くなり、逆にパリティ乖離率が低ければ低いほど株価との連動性は高くなる。

転換社債型新株予約権付社債の基本事項

転換社債型新株予約権付社債は、社債の安全性と株式の収益性を兼ね備えた金融商品で、通常の普通社債よりも有利に運用したい場合などに活用します。

取扱機関 証券会社
リターン インカムゲイン(クーポン)
キャピタルゲイン(売却益、償還益)
リスク 価格変動リスク(価格により償還損や売却損が発生)
信用リスク(デフォルト、企業倒産)
関連マーケット 長期金融市場(債券市場)、株式市場
償還期間 2-15年など
額面金額 10万円、50万円、100万円など
金利種類 固定金利(株式に転換できる分、金利は普通社債より低い)
利払い 年に1回または2回
換金性 いつでも時価で売却可能
税金 利子:申告分離課税または申告不要
償還差損益/売却益:申告分離課税
特色 株式としての側面
-転換価格、転換株数、転換請求期間
-パリティ(理論価格)、パリティ乖離率
債券としての側面
-クーポン、償還期間
-直接利回り、最終利回り
チェック 発行企業の目論見書、格付け、株価・・・

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