普通預金
普通預金は、日常生活の中で、お金の出し入れが自由にできる利便性の高い金融商品です。これは、銀行や信用金庫、信用組合、労働金庫などに口座開設をすると、最初に作られる基本となる預金口座で、金融機関の窓口やATM(現金自動預け払い機)などで、いつでも預入れや引出し(払戻し)が自由にできます。また、公共料金等の自動引落しや給与・年金等の自動振込み、株式の配当金や投資信託の収益分配金等の自動受取りなどの機能もあります。
一般に普通預金には、通常の利息が付くもの以外に、特約により無利息とした「決済用普通預金」や「普通預金(無利息型)」、「無利息型普通預金」と呼ばれるものもあります(名称は金融機関によって異なる)。これらは、預金保険制度のペイオフ対象外で、預金残高の全額が常に保護される「決済用預金」となっています。
普通預金の預入れと引出し
普通預金は、基本的に預入れや引出しが1円単位でいくらでも自由にできますが、昨今では、預金の不正引出しを防止するために、キャッシュカードでの引出しについては、1日あたりや1カ月あたりの「引出し限度額」が設定されています。
●預入れ(入金)
金融機関の店頭(窓口)では、通帳を持参し、現金(紙幣、硬貨)のほかに、手形や小切手、配当金領収証なども入金できます。また、ATMでは、キャッシュカードによって、現金のみ入金できます。
●引出し(出金)
金融機関の店頭(窓口)では、通帳と届出印を持参し、いくらでも出金できます(高額な場合は、身分証明書の提示を求められることもある)。また、ATMやCDでは、キャッシュカードによって、引出し限度額内であれば、いつでも出金できます。なお、引出しの際の本人確認については、キャッシュカードと暗証番号以外に、生体認証(指静脈認証、手のひら静脈認証など)が利用できる金融機関もあります。
普通預金の商品タイプ
普通預金は、金融機関によっては、従来のタイプ以外の商品が用意されていることもあります。
●通常、取引状況を記帳できる「通帳」を発行しますが、一部の金融機関の商品では「通帳」を発行しないものや、無通帳型を選択できるものもあります。この場合、取引状況については、インターネットバンキングやモバイルバンキングでいつでも確認することができます。また、金融機関によっては、定期的にステートメント(取引明細書)を送付するところもあります。
●通常、口座維持手数料は無料ですが、一部の金融機関の商品では、口座維持手数料が有料のものもあります。この場合、取引実績や利用状況によって手数料が無料となったり、時間外手数料無料や提携ATM手数料無料などの特典を付けたりしています。
●通常、利払いは半年毎ですが、一部の金融機関の商品では、毎月利払いのものもあります。
●一部の金融機関では、利息を福祉団体に自動的に寄附する仕組みのある「ボランティア型の普通預金」も取り扱っています。
普通預金の基本事項
普通預金は、お金の出し入れが自由にできるため、日常生活のお財布代わりに使えます。また、金利(利率)については、非常に低いため、必要以上の金額を置かないことがポイントです。
取扱機関 | 銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫など |
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リターン | 利息 |
リスク | 信用リスク(金融機関の倒産) |
関連マーケット | 短期金融市場(1年以内の金利) |
預入金額 | 1円以上1円単位 |
預入期間 | 無期限、いつでも出し入れ自由 |
金利種類 | 変動金利 |
利息計算 | 日割計算 |
利払い | 半年毎(通常2月と8月に元加) |
換金性 | 1円単位で、いつでも、いくらでも可能 |
類似商品 | 通常貯金(ゆうちょ銀行) |
税金 | 源泉分離課税 |
保護制度 | 預金保険制度の対象 |