アカウント型生命保険の仕組みについて

アカウント型生命保険は、「自由設計型生命保険」とも呼ばれ、主契約の「積立部分」と特約の「保障部分」の2つから構成される保険をいいます。

積立と保障がセットになった保険商品で、銀行の預金口座に似た積立部分(アカウント部分)があるのが大きな特徴となっており、また積立部分に適用される利率が市場金利の動向に応じて一定期間毎に見直されて変動する仕組みとなっています。

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アカウント型生命保険の基本事項

アカウント型生命保険は、主契約の「積立部分」と特約の「保障部分」の2つから構成され、ライフプランに合わせて保険設計の自由度が高い一方で、その仕組みは結構複雑です。

主契約の積立部分(アカウント部分)については、保険料の払込期間中は積立金を蓄積し、保険料の払込期間満了後はその時点の積立金を元にして、一定金額の範囲内でその時点の健康状態に関わらず、終身保険年金などに移行できるようになっています。

また、日常の保障部分については、主契約の積立部分の上に、死亡保障や医療保障などの各種特約を自由に組み合わせて、必要な保障を確保することになります。

|アカウント型生命保険の構造

アカウント型生命保険は、貯蓄機能を持つ積立口座を「主契約」とし、死亡・医療・ガン・介護といった保障を「特約」の形で上乗せして組み合わせる「二階建て構造」となっています。

・主契約:貯蓄部分(払込完了時に積立金を終身保険等に移行)
・特約:保障部分(死亡・医療など必要な保障を契約して確保)

|アカウント型生命保険の仕組み

アカウント型生命保険の仕組みは、定期付終身保険と似ていますが、主契約に保障機能がなく、また払い込んだ(積み立てた)保険料を自由に出し入れできるほか、上乗せ部分の保障内容を適宜見直すことができます。さらに、積み立てた保険料は、保障に充当する以外に、家計の補填にも使うことができます。

アカウント型生命保険の保険料の支払い

アカウント型生命保険では、毎回払い込む保険料は、いったん主契約の積立部分(アカウント部分)に入れられ、そこから契約する保障部分(特約)の保険料を支払う仕組みとなっています。

また、払い込む保険料は、余裕資金のある時は多く、余裕資金のない時は少なくといったように、加入時や契約途中に所定の範囲内で自由に設定することができます。

以上より、保障内容は変えずに、毎月の保険料を減らしたり、払い込みを中止したりできるなど、契約後の状況の変化に応じて、柔軟に保障の見直しや払い込む保険料の調整ができます。

アカウント型生命保険の主な特徴

アカウント型生命保険は、通常の保険とは仕組みが大きく異なるので、実際の加入にあたっては、その特徴をよく理解しておくことが必要です。

・積立部分と保障部分の2つから構成される。
・積立部分の利率は定期的に変動する。
・払込満了時に積立部分に溜まったお金で終身保険等に移行できる。
・払込満了時に終身保険等の元になる積立金は予測できない。
・死亡保障や医療保障などの各種保障は特約で確保する。
・ライフステージに合わせて、保障内容を適宜見直せる。
・積立部分に溜まったお金を自由に引き出して利用できる。

アカウント型生命保険の主な注意点

アカウント型生命保険は、販売時において、死亡や医療などの保障と同時に、積立口座で貯蓄もできると紹介されがちですが、払い込む保険料の大半は上乗せする保障の費用に充当されるのが普通です。例えば、月1万円の保険料のうち、積立金に回せるのは百円程度という契約もあるので、その内容には十分にご注意ください。

◎上乗せ部分が定期保険なら、実態は複数の定期保険をまとめて買う契約になり、積立残高はあまり増えず、貯蓄機能にあまり期待できない。

◎契約期間中に上乗せ部分の保障を増額したい場合、積立口座に十分な残高があれば保険料の上昇分に積立金を充てられるが、残高が足りなければ支払う保険料が増えてしまう。

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