終身保険

終身保険は、生命保険会社が提供する、一生涯の死亡保障を確保できる保険をいいます。

貯蓄型保険の一つで、「定期保険」と同様、被保険者が死亡または高度障害になった時に保険金(死亡保険金または高度障害保険金)が支払われ、また途中で解約した時に解約返戻金が戻ってきます。

通常、解約返戻金については、早い時期に解約するとあまり戻ってきませんが、時間の経過と共に積立部分が徐々に増えていくので、長期では戻ってくる金額が大きくなります。

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終身保険の商品タイプ

終身保険には、いくつかの商品タイプがあり、最も一般的なものは「定額終身保険」と言い、契約時に保険金額と解約返戻金が約束されています。

また、一定期間毎に金利が見直され、それに伴って解約返戻金や死亡保険金額も増減する「積立利率変動型終身保険」や、払い込み期間中の解約返戻金を抑え、保険料を割安にした「低解約返戻金型終身保険」といったものもあります。

終身保険の保険料の支払い

終身保険の保険料の支払方法には、払い込みが一定年齢または一定期間で満了する「有期払い」、一生涯払い込みを続ける「終身払い」、一括で払い込みを完了する「一時払い」などがあります。

また、契約当初の一定期間の保険料を低く抑え、その分を一定期間経過後に保険料を高くするという「ステップ払い」を取り扱う保険会社もあります。

終身保険の活用ポイント

終身保険の弱点として、「将来のインフレに対応できない」、「資産形成と捉えるには解約返戻金が少なすぎる」、「予定利率が低い時代には保険での老後準備は意味がない」と言われることがよくあります。これらは必ずしも間違っていませんが、少し偏った指摘かもしれません。

将来のインフレ動向は誰にも予測できず、また老後準備が貯蓄や投資だけでうまくいく保証は全くありません。そもそも、終身保険は、貯蓄ではなく保険であり、その商品特性をよく理解した上で、将来の老後準備や死亡保障としてうまく活用するのが正解ではないでしょうか?

◎ある程度長生きした場合でも、葬儀費用や整理費用、生活資金の足しなど、残された家族に一定の資金を残す。

◎一定の死亡保障をずっと確保しながら、一定の老後資金を確実に積み立てる(保険料の引落しは、貯蓄より強制力があり。貯蓄や投資は、案外うまくできないもの)。

◎相続対策として、相続税の非課税枠の活用や保険料の贈与(子どもを契約者にして保険料相当額の贈与)などで、終身保険の税制面のメリットを活用する(貯蓄や投資ではできない対策)。

予定利率が高い時期に、短期払いや一時払いの終身保険に加入すると、払い込んだ保険料を上回る解約返戻金が短期間で発生することがある。

終身保険の基本事項

終身保険は、保険金がいつか必ず支払われるため、保険商品の中で貯蓄性があり、同じ死亡保険金が保障される「定期保険」に比べると、保険料は高くなります。

また、保険料の払い込みが完了した時は、死亡保障を継続するだけでなく、積み立てられた保険料(解約返戻金)を原資に年金として受け取ったり、介護保障に変更するといった、老後資金として活用する方法も選択することができます。

取扱機関 生命保険会社、銀行、郵便局、保険代理店など
カバーリスク 死亡や高度障害など
保険期間 一生涯
加入年齢 商品により異なる
保険金 死亡保険金、高度障害保険金
貯蓄性 有り
メリット ・死亡保障が一生涯続く
・解約返戻金として払い込んだ保険料が戻る
デメリット ・定期保険と比べて保険料が割高である
・短い期間で解約すると非常に不利である
備考 ・各種特約が付けられる
・個人年金や介護保険などに転換できる
・契約者貸付を利用できる

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