債券の格付けは?

資産運用において、国債や地方債、社債、外債などの債券投資をする場合、債券の発行体の信用力について、十分に注意する必要があります。通常、「債券の発行体の信用力」と言った場合は、債券の元利金支払いの確実性を意味します。

ここでは、債券の格付けの基本事項について、簡単にまとめてみました。

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債券の格付けについて

債券の格付けとは、発行体(国・地方公共団体・企業・国際機関等)の発行する個別の債券について、第三者の評価機関(格付け機関)が約束通りに元本利子が支払われる確実性の度合いを一定の符号で表示したものをいいます。

これには、発行体が格付け機関に格付けを依頼して取得するものと、格付け機関が独自の判断で格付けを行うもの(いわゆる勝手格付け)の二つがあり、さらに長期債と短期債は別々に評価されます。

債券の格付けの特色について

債券の格付けは、一般的には、以下のような特色があります。

・利害関係のない第三者の格付け機関が評価する
-格付け機関によって評価や符号が異なる
-評価ポイント(収益力、企業規模、資産価値、財務体質、契約条項他)
・格付けは、発行体ではなく債券についてである
-同じ発行体の債券でも格付けが異なる場合もある
・格付けは、時間の経過と共に見直される
-発行体の信用力は時間の経過と共に変化する
・格付けは、発行体のファイナンスに大きな影響を及ぼす
-高格付けであれば利回りは低く、低格付けであれば利回りは高くなる

債券の格付け機関について

債券投資において、発行体の信用力を判断するには、格付け機関(格付会社)が評価した格付け情報などを参考にすることになり、現在、日本で「格付会社」と言った場合、以下の5社が挙げられます。

・海外系の格付会社
-Moody's(ムーディーズ・インベスターズ・サービス)
-S&P(S&Pグローバル・レーティング)
-Fitch(フィッチ・レーティングス)
・国内系の格付会社
-格付投資情報センター(R&I)
-日本格付研究所(JCR)

債券の格付け符号の例について

債券の格付け符号は、格付け機関によって若干異なりますが、世界的大手のMoody'sとS&Pの場合は、以下のようになっています。

Moody'sのグローバル・スケール長期格付

Aaa 信用リスクが最低水準にある債務に対する格付
Aa 信用リスクが極めて低い債務に対する格付
A 信用リスクが低い債務に対する格付
Baa 一定の投機的な要素を含みうる債務に対する格付
Ba 相当の信用リスクがある債務に対する格付
B 信用リスクが高いと判断される債務に対する格付
Caa 信用リスクが極めて高い債務に対する格付
Ca 非常に投機的であり、デフォルトに陥っているか、あるいはそれに近い状態にあるが、一定の元利の回収が見込める債務に対する格付
C 通常、デフォルトに陥っており、元利の回収の見込みも極めて薄い債務に対する格付

S&Pの長期個別債務格付け

AAA 最上位の個別債務格付け
AA 最上位の格付け(AAA)との差は小さい
A 上位2つの格付けに比べ、事業環境や経済状況の悪化の影響をやや受けやすい
BBB 当該金融債務履行のための財務内容は適切であるが、事業環境や経済状況の悪化によって当該債務を履行する能力が低下する可能性がより高い
BB 投機的要素が大きい(当該債務が不履行になる蓋然性は低い)
B 投機的要素が大きい(当該債務が不履行になる蓋然性はBBより高い)
CCC 投機的要素が大きい(当該債務が不履行になる蓋然性は現時点で高く、債務の履行は、良好な事業環境、金融情勢、経済状況に依存)
CC 投機的要素が大きい(当該債務が不履行になる蓋然性は現時点で非常に高い)
C 投機的要素が大きい(当該債務が不履行になる蓋然性が現時点で非常に高い上に、より高い格付けの債務に比べて優先順位が低い、または最終的な回収見通しが低いと予想)
D 当該債務の支払いが行われていないか、S&Pが想定した約束に違反がある