貸付信託

貸付信託は、合同運用指定金銭信託の一種で、その昔(1990年代まで)、信託銀行の主力商品の一つでしたが、今日では、商品ラインナップの見直しや顧客の資産運用ニーズの多様化などを背景に、新規募集をしているところはありません。そのため、本ページは、かつて注目された金融商品を記録として残すために記載しています。

目次:コンテンツ構成

貸付信託の仕組みと種類

貸付信託とは、合同運用指定金銭信託の一種で、貸付信託法に基づいて、信託銀行が多数の顧客(委託者)から集めた資金(信託金)を長期貸付などで運用し、そこから生じた収益を元本に応じて分配する信託商品をいいます。

これには、収益が半年毎に支払われる「収益分配型」と、収益が満期時に一括して支払われる「収益満期受取型(ビッグ)」の二つがあります。また、元本については、信託銀行が保証します。

※合同運用指定金銭信託:指定金銭信託の中で、合同運用(まとめて運用)するもの。

貸付信託法における貸付信託の定義

貸付信託は、貸付信託法の第2条1項において、「一個の信託約款に基いて、受託者が多数の委託者との間に締結する信託契約により受け入れた金銭を、主として貸付又は手形割引の方法により、合同して運用する金銭信託であって、当該信託契約に係る受益権を受益証券によって表示するものをいう」と定義されています。

※受益証券:貸付信託に係る信託契約に基く受益権を表示する証券であって、受託者が貸付信託法の規定により発行するもの。

貸付信託(収益分配型)の基本事項

貸付信託は、募集されていた当時、変動金利のため、金利上昇期に強みを発揮し、半年毎に収益金が欲しい場合などに利用するのが基本でした。現在は、新規募集が停止されており、取引はできません。

取扱機関 信託銀行
リターン 収益金(配当金)
リスク 信用リスク(金融機関の倒産)
関連マーケット 長期金融市場
預入金額 1万円以上1万円単位
預入期間 2年、5年
金利種類 予想配当率(変動金利)
-6カ月毎に変更
利払い 6カ月毎に支払い
-半年毎にその都度受け取る
-金銭信託口座に積み立てて複利で運用する
換金性 1年間は解約できない
それ以降は解約時に買取割引料が差し引かれる
税金 源泉分離課税
保護制度 預金保険制度の対象

iFinancial TV