学資保険

学資保険は、別名で「こども保険」とも呼ばれ、子どもの教育資金を積み立てることを目的とした保険をいいます。これは、貯蓄機能のある「養老保険」、死亡保障を確保する「定期保険」、保険期間内の途中で給付金が受け取れる「生存給付金特約」などを組み合わせて作られており、現在、多様な商品が提供されています。

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学資保険の特色

学資保険は、保障内容が保険会社によってそれぞれ異なりますが、共通する特色として、子どもの教育資金などの準備を目的とした貯蓄性の高い商品となっています。

具体的には、子どもの進学期や満期時に学資金(祝金)や満期保険金が支払われ、親の死亡時には保険料が免除され、育英年金等が支払われるものが多いです。さらに、商品によっては、子どもが死亡した場合に死亡保険金が支払われるものもあります。

学資保険の発売と普及

学資保険は、郵政民営化前に「簡易保険」の一つとして、日本で初めて郵便局で発売されたため、長い間、最もよく利用されている子ども向けの保険となっています。

郵政民営化後は、かんぽ生命保険(郵便局)で取り扱われ、現在、商品名は「学資保険(はじめのかんぽ)」になっています。また、かんぽ生命以外にも、ソニー生命やアフラック生命、日本生命など、幾つかの保険会社で商品名として使われています。

学資保険の商品タイプ

学資保険は、大きく分けて、貯蓄を優先する「貯蓄型」と、育英年金があって契約者の保障が厚めの「保障型」の2つがあります。

どちらのタイプも、子どもの教育資金を貯めることが一番の目的ですので、保険期間内に払い込む保険料に対して、受け取ることができる祝金や満期金がどれくらいあるのかをしっかりとチェックすることが大切です。また、万一の保障面については、学資保険を単体で考えるのではなく、家族で加入している各種保険も含めて、トータルで考えることが大切です。

<貯蓄性の高さを見る「返戻率」について>

貯蓄性の高さを検討する際には、払い込んだ保険料に対する総受取金額(祝い金+満期金)の割合を示す「返戻率」をチェックするといいです。この返戻率は、貯蓄型については100%を超えるものも多いですが、保障型については保障部分のコストがかさむため、予定利率が余程高くない限り、通常は100%を割ることになります。

学資保険の活用ポイント

学資保険は、子どもの教育資金を貯めるのが目的のため、親の死亡保障や子どもの医療保障などが別の保険でしっかりと確保されているのであれば、保障部分はできる限りシンプルで、本来の貯蓄性を重視した商品を選択するのがよいかと思います。

◎学資保険は、加入時の予定利率がずっと適用されるので、金利が高い局面でうまく活用する(金利の低い時期は有利ではない)。

◎将来の教育資金は、貯蓄だけでも用意できなくはないが、保険料支払いという「半強制型の積み立て」は長期においてやはり有効。また、保険と貯蓄の二本立てで貯めるのは準備面でも有効。

◎子どもの医療保障は、家族全員をカバ-する医療保険(特約)があれば十分(保障の重複に注意)。また、子どもの死亡保障は、保険の目的からして特に必要ない。

◎親に万一のことがあった場合の育英年金は、親が死亡保障の充実した生命保険(定期保険、収入保障保険など)に加入していれば、特に保障機能として必要ない。

◎子どもが誕生した場合、早い時期の加入ほど、月々の保険料の支払額が少なくてすみ、有利である。

◎満期は、商品によっていくつかあるが、基本となるのは大学受験用の資金を中心に貯める17歳・18歳満期。また、高校受験にも備える場合は、一部に15歳満期を組み合わせたり、祝金が15歳時に給付されるものを組み合わせるのもよい。

学資保険の基本事項

学資保険は、中長期で子どもの教育資金を準備する場合に活用します。

取扱機関 生命保険会社、銀行、郵便局、保険代理店など
カバーリスク 学資金の準備、親の死亡、子どもの死亡
保険期間 15・18・22歳などの満期が多い
加入年齢 商品により異なる
保険金
(よくあるタイプ)
・通常時:学資金、満期保険金
・親死亡時:学資金、育英年金、満期保険金
・子死亡時:死亡保険金
貯蓄性 有り
メリット ・子どもの教育資金を確実に準備できる
・掛け捨てでないため、必ず学資金や満期金を受け取れる
・契約者が死亡した場合、以後の保険料は免除される
デメリット ・予定利率の低い時は、貯蓄性が低くなる
・保障が多いタイプは、元本割れをする
備考 ・学資金や育英年金の支払方法を確認する
・育英年金は特約を付加するのかに注意する
・祖父母が契約者になれる商品もある
・契約者貸付制度を利用できる

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