直物為替と先物為替の違いは?
外国為替市場では、通貨を交換(売買)した後に、通貨の受け渡しを行うのが一般的な取引形態となっており、これには、通貨の受け渡し(資金決済)の時期によって、「直物為替(Spot)」と「先物為替(Forward)」の2つがあります。
ここでは、外国為替の基本である「直物為替」と「先物為替」について、その概要と違いを簡単にまとめてみました。
※外国為替:異なる2つの通貨を交換すること。
目次:コンテンツ構成
直物為替について
直物為替(じきものかわせ)は、「スポット(Spot)」とも呼ばれ、原則として、通貨を売買することを契約した日(約定日)から2営業日後に受け渡しが行われる外国為替取引をいいます。
現在、受渡日が2営業日後(約定日の翌々営業日)とされているのは、外国為替取引は国境を越えて取引が行われることから、各国に時差があることも考慮して事務処理上の余裕を持たすためです。また、この取引の例外として、約定日の当日または約定日の翌営業日に受け渡しされることもあります。
なお、外国為替証拠金取引(FX)については、取引形態は直物為替(スポット)ですが、その仕組み面で円貨での差金決済方式のため、通常は通貨(現物)の受け渡しは行われておりません。
先物為替について
先物為替(さきものかわせ)は、「フォワード(Forward)」とも呼ばれ、通貨を売買することを契約した日(約定日)から2営業日以降(直物を超える日)に受け渡しが行われる外国為替取引をいいます。
外国為替市場において、将来の特定日または一定期間後に、契約時に定めた条件(外貨種類、金額、レート等)で受け渡しを行うもので、将来の為替リスクの回避や持高調整の手段などで使われます。
直物為替と先物為替の違いについて
最後に「直物為替」と「先物為替」の違いを簡単にまとめると、以下のようになります。
◎直物為替と先物為替は、どちらも外国為替取引であるが、通貨の受け渡しの時期に違いがある。
◎直物為替が通貨を売買することを契約した日から2営業日後に受け渡しが行われるに対して、先物為替は通貨を売買することを契約した日から2営業日以降に受け渡しが行われる。
◎外国為替取引には、「直物為替」と「先物為替」の他に、直物為替の売買に逆の売買条件の先物為替を組み合わせた取引である「為替スワップ」というものもある。