OBVとは何か?

OBVは、「On Balance Volume(オンバランスボリューム)」の略で、過去の出来高に基づいて、価格の変化を予測するものをいいます。

米国のチャート分析家であったジョセフ・グランビルが考案したテクニカル指標(モメンタム指標)で、その視点として、出来高が市場を動かす重要な力であり、出来高が価格に先行するという考え方が元になっています。

一般にオンバランス(on balance)とは「差し引きして」という意味で、OBVは差し引き計算による出来高を表し、主に株式相場や商品先物相場などで用いられています。

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OBVの算出方法

OBVは、出来高を価格上昇日の出来高と価格下落日の出来高に分け、価格上昇日の出来高は全て買いとみなす一方、価格下落日の出来高は全て売りとみなし、基準日以降、価格上昇日の出来高は加算し、また価格下落日の出来高は減算して累計していきます。

<OBVの簡易的な算出方法>

1.当日の終値が前日よりも高い場合、前日のOBVに当日の出来高を加えて新しいOBVの値を求める。
2.当日の終値が前日よりも低い場合、前日のOBVから当日の出来高を引いて新しいOBVの値を求める。
3.当日の終値が前日と同じである場合、当日のOBVは前日のOBVと同じ値にする。

こうして算出された累計がOBVの数値で、またこの数値を線で結びグラフ化したものが「OBV線」です。

OBVの例

OBVの利用方法(見方)

OBVは、価格の動きに先行性のある出来高を指数化して、その方向性と資金の流れを捉えるモメンタム指標で、通常、それぞれの局面における価格の基調や売買タイミングを判断する際に利用します。

◎OBV線が上昇(下落)傾向にある時は買い(売り)の力が蓄積されつつあり、先行き価格上昇(価格下落)が予想される。これより、OBV線がトレンドを維持しつつ上昇する時は買い、その逆は売りと判断される。

◎OBV線が、長期的に見た上値抵抗線を上回った時は、相場の基調が強く、逆にOBV線が長期的に見た下値支持線を下回った時は、相場の基調が弱いと言える。

◎OBV線が上昇トレンド時に下降傾向、また下降トレンド時に上昇傾向にある「逆行現象」が発生している時には、トレンドの転換が近いことを示唆する。

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