公務員の方の社会保険は?

世の中において、官庁や地方公共団体で働く公務員は身近な職業の一つですが、公務員の「社会保険は?」というと、公務員である方を除けば、よく分からない、イメージが湧かない、という方も多いのではないでしょうか?

ここでは、公務員の方の社会保険について、簡単にまとめてみました。

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公務員の加入している社会保険の種類

公務員の社会保険は、基本的な仕組みは会社員とほぼ同様ですが、一方で公務員の場合は独自の法律が適用され、一部の制度では保障(補償)内容がやや異なっています。また、国家公務員か地方公務員かによっても異なっており、それぞれの共済組合に加入しています。

・長期給付(厚生年金)
・短期給付(保健給付、休業給付、災害給付)
・介護保険(40歳以上)
・国家公務員退職手当法、地方公務員の退職手当制度(退職手当)
・国家公務員災害補償法、地方公務員災害補償法(公務・通勤災害)

公務員の社会保険料の支払いが分かるもの

公務員の場合、普段の生活の中で、社会保険料の支払いが分かるものには以下があります。

・給与支払明細書:毎月の保険料額
・給与所得の源泉徴収票:年間の保険料額

公務員の長期給付(厚生年金)のポイント

長期給付(厚生年金)とは、組合員(公務員)が長年勤続して退職した時、在職中の病気やケガがもとで障害の状態になった時、あるいは不幸にして死亡した時に、将来(老後・障害後)の生活や残された家族の生活の支えとして、加入する共済組合が年金や一時金を支給するものをいいます。

・老後、遺族、障害時のための年金システム
・年金構造は、基礎年金+厚生年金+退職等年金給付
・年金額は確定給付(給付される金額が決まっている)
・保険料(長期掛金)は国等と本人が半分ずつ負担
・保険料は総報酬制で、ボーナスを含めた年収全体を基準に徴収する仕組み(毎月の給料も、ボーナスも、同じ割合を掛けて保険料を計算)

被用者年金一元化法の施行により、2015年10月から、これまで三つの共済年金に分かれていた公務員等の年金制度が「厚生年金」に統一された。

公務員の短期給付のポイント

短期給付とは、組合員(公務員)とその家族(被扶養者)の病気やケガ、出産、死亡、休業、災害などに対して給付を行うものをいいます。現在、給付内容は大きく分けて、保健給付、休業給付、災害給付の3つの柱があり、それぞれに法律で定められた法定給付と共済組合独自の附加給付があります。

・業務外の疾病・傷病による療養給付
・業務外の疾病・傷病による休業の所得保障
・産前産後・育児・介護休業時の所得保障
・保険料(短期掛金)は国等と本人が半分ずつ負担
・保険料は、総報酬制で算出
・出産手当金や傷病手当金もあり
・育児休業手当や介護休業手当もあり

公務員の退職手当のポイント

公務員は、雇用保険の適用はありませんが、雇用継続給付に相当する給付は短期共済給付として支給されます。

・国家公務員退職手当法:国会公務員が対象
・地方公務員の退職手当制度(条例で制定):地方公務員が対象

公務員の災害補償のポイント

公務員は、労災保険法の適用はありませんが、国家公務員災害補償法や地方公務員災害補償法により、公務災害や通勤災害に対する補償があります。

・業務や通勤時の疾病・傷病のための療養給付もしくは休業時の所得保障
・公務員を対象とした災害補償法が適用(保険料はなし)

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