外国債券と外国為替証拠金取引の違いは?

昨今、外貨投資において、定番の「外貨預金」の他に、「外国債券」や「外国為替証拠金取引」も人気があります。この二つは、投資スタイルが大きく異なり、また外貨預金よりもリスクが高いので、実際の取引にあたっては注意が必要です。

ここでは、「外国債券」と「外国為替証拠金取引」の違いについて、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

外国債券について

外国債券(外債)は、発行者(海外の公的機関、政府、企業)、通貨(元本、利子、償還金の一部/全て)、発行場所(発行市場)のいずれかが海外の債券をいいます。

基本的な仕組みは、国内債券と同様ですが、発行される国の信用度(カントリーリスク)や金利動向、為替相場などの影響を受けるところが国内債券と大きく異なります。また、日本の金融機関で販売される銘柄については、公的機関やグローバル企業など格付けが高いのものがほとんどです。

<外債の主な特色>

・外貨建て資産を「現物」として持つことができる
・中長期の外貨投資が可能で、ポートフォリオを構成できる
・資金が一定期間固定される(途中売却が不利)
・購入の際の為替手数料が高い(ドル以外はさらに高い)
・利息は年に数回のみである(年1回~年12回)
・為替動向(円高)によっては、金利収益が簡単に吹き飛ぶことがある(損が出る可能性がある)
・海外の金利動向(金利上昇)によっては、債券価格が大きく下落することがある

外国為替証拠金取引(FX)について

外国為替証拠金取引(FX)は、「外国為替保証金取引」とも呼ばれ、一定の証拠金を差し入れることによって、少ない元手で大きな取引ができる外国為替取引をいい、その種類には「店頭取引(店頭FX)」と「取引所取引(取引所FX)」の二つがあります。

一般にFXは、少ない資金で大きな取引が可能な「ハイリスク・ハイリターン型の取引」となっており、現在、個人については、元手の最大25倍の取引が可能です。

<FXの主な特色>

ロング(買い)とショート(売り)のポジションを取ることができる
円高でも円安でも、為替相場の変動により常に収益機会がある
・通貨ペアが充実している
・スワップポイント(金利収入)が高い
・為替手数料が非常に安い
・市場レートに近いレートを提示
・24時間いつでも、リアルタイムに取引ができる
・レバレッジをかけることができるが、一方でレバレッジを低くすればローリスクになる

外国債券と外国為替証拠金取引の違いについて

最後に「外国債券」と「外国為替証拠金取引」の違いを簡単にまとめると、以下のようになります。

項目 外国債券 外国為替証拠金取引
取扱機関 証券会社、銀行など FX会社、証券会社、銀行、商品取引会社など
商品種類 債券 証拠金取引
通貨 米ドル、ユーロ、豪ドル、NZドル、カナダドル、英ポンド、南アランド、ブラジルレアル、メキシコペソ、ロシアルーブル、トルコリラ・・・ USD/JPY、EUR/JPY、GBP/JPY、AUD/JPY、NZD/JPY、CAD/JPY、CHF/JPY、ZAR/JPY、TRY/JPY、EUR/USD、GBP/USD、AUD/USD、NZD/USD・・・(非常に多様)
取引方法 購入→保有→償還or売却。利息収入の他、円安になると為替差益 ロングとショートが可能で、ポジションを作って差金決済
リターン インカムゲイン(利息)
キャピタルゲイン(為替他)
インカムゲイン(スワップポイント)
キャピタルゲイン(為替売買益)
リスク 為替リスク
信用リスク(発行体の破綻)
為替リスク
信用リスク(店頭取引の場合)
預入金額 金融機関や銘柄による(ある程度の預入単位が必要) 金融機関や商品による(取引をするにはある程度の証拠金が必要)
預入期間 中長期 無期限
為替手数料 金融機関による 金融機関による(無料の会社も)
税金 利息
 -源泉分離課税
為替差益・償還差益・売却益
 -申告分類課税(譲渡所得)
スワップポイント
 -申告分離課税(雑所得)
為替売買益
 -申告分離課税(雑所得)
換金性 中途売却は可能 いつでも可能

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