会社員の方の税金は?

会社勤めをすると、毎月、会社から給料を受け取ります。この給料について、給与明細を見ると、税金(所得税、住民税)がしっかりと引かれています。

その一方で、実際に引かれている税金について、金額こそ分かるものの、具体的な仕組みはよく分からないという方も多いのではないでしょうか? また、会社を退職した時に受け取る退職金についても、同じようなことが言えるかもしれません。

ここでは、会社員の方の税金について、簡単にまとめてみました。

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会社員の給与所得について

会社員の方は、会社(勤務先)から仕事の対価として、毎月「給料」を、また年2回「賞与」を受け取ります(賞与がない会社もあり)。そして、この給料と賞与から、国に対して支払う「所得税」と都道府県および市町村に対して支払う「住民税」が源泉徴収されています。

◎所得税は、個人が様々な所得を得た時に、国に納める税金(国税)で、会社員の場合は、給与や退職金などが対象となる。

◎住民税は、都道府県と市区町村が課す税金(地方税)で、市町村民税(東京23区は特別区民税)と道府県民税(東京都は都民税)があり、いずれも、所得に応じた負担を求める「所得割」と、所得にかかわらず定額の負担を求める「均等割」がある。

|給与所得とは

給与所得は、所得税と住民税における課税所得の区分の一つで、俸給や給料、賃金、歳費、賞与のほか、これらと同様の性質を有する給与に係る所得をいう。

|給与所得と所得税額の計算

給与所得では、「給与等の収入金額(源泉徴収される前の金額)」から、所得税法や地方税法で定めた「給与所得控除額」を差し引くことができます。

(1)給与所得の金額=収入金額(源泉徴収される前の金額)-給与所得控除額
(2)課税所得金額=給与所得の金額-所得控除額
(3)所得税額=課税所得金額×税率-控除額

※給与所得控除額:給与所得者の経費にあたる金額で、実際にかかった費用ではなく、速算表で収入に応じた金額が定められている。

会社員の特定支出控除について

特定支出控除は、業務にかかる支払い(経費)が多い場合に、収入から経費を控除できるようにした制度です。

具体的には、下記の特定支出をした場合、その年の特定支出の額の合計額が「特定支出控除額の適用判定の基準となる金額」を超える時は、確定申告により、その超える部分の金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができるというものです。

|通勤費

一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出。

|職務上の旅費

勤務する場所を離れて職務を遂行するための直接必要な旅行のために通常必要な支出。

|転居費

転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出。

|研修費

職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出。

|資格取得費

職務に直接必要な資格を取得するための支出。

|帰宅旅費

単身赴任などの場合で、その者の勤務地または居所と自宅の間の移動のために通常必要な支出。

|勤務必要経費

所定の図書費や衣服費・交際費等の支出(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限る)で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたもの。

会社員の確定申告について

通常、会社員の方は、勤務先から受ける給与以外に所得がないか、あっても少額の人がほとんどです。そのため、大部分の方については、「年末調整」によって税額が精算されるので、確定申告は必要ありません。

ただし、年末調整の対象にならない方や、確定申告でなくては控除を受けられないものもあり、例えば、以下のようなケースでは、確定申告をする必要があります。

|年末調整の対象にならない方

・給与の収入金額が2,000万円を超える
・給与を1カ所から受けていて、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える
・給与を2カ所以上から受けていて、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)との合計額が20万円を超える
・同族会社の役員やその親族などで、その同族会社から給与の他に、貸付金の利子、店舗・工場などの賃貸料、機械・器具の使用料などの支払を受けた
・給与について、災害減免法により源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた
・在日の外国公館に勤務する方や家事使用人の方などで、給与の支払を受ける際に所得税を源泉徴収されていない

|確定申告でなくては控除を受けられないもの

・特定支出控除の適用を受ける
・本人及び生計を一にする親族の医療費がかかり、医療費控除(所得控除)を受ける
・配当控除、住宅借入金等特別控除、政党等寄附金特別控除、外国税額控除などの税額控除を受ける

会社員の退職所得について

退職所得とは、退職金や退職一時金など、退職により勤務先から受け取る退職手当などの所得をいいます。また、社会保険制度などにより退職に基因して支給される一時金、適格退職年金契約に基づいて生命保険会社または信託会社から受ける退職一時金なども退職所得とみなされます。

一般に退職金や退職一時金などは、長い年月にわたって勤務したことについての慰労金としての性格が強く、また退職所得の計算においても、勤続年数に応じた退職所得控除等の特別な軽減措置が諮られています。

<退職所得の金額の計算式>

退職所得の金額=(退職金の収入金額-退職所得控除額)×1/2

|退職所得控除額|
・勤続20年以下の場合:40万円×勤続年数(最低80万円)
・勤続20年超の場合:800万円+70万円×(勤続年数-20年)