名目金利

読み方: めいもくきんり
英語: Nominal Interest Rate
分類: 金利

名目金利は、物価上昇率などを加味しない表面上(見かけ)の金利をいいます。

マーケットや金融取引などで「金利」と言った場合に該当するもので、具体的には、短期金融市場や長期金融市場の「市場金利」、金融機関の「預金利率」や「融資利率」などが挙げられます。

一方で、名目金利に対して、金利の水準を物価上昇率との関係から見たもので、名目金利から物価変動の影響を除いたものを「実質金利」と言います。

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名目金利と実質金利の関係について

米国の経済学者であったアービング・フィッシャー(1867-1947)が提唱した、金利と物価の関係式である「フィッシャー方程式」は、「実質金利=名目金利-期待インフレ率」で表されます。

この式を変換すると「名目金利=実質金利+期待インフレ率」になり、もし名目金利が一定ならば、期待インフレ率を持続的に高めていくことが実質金利を下げる効果として働き、また経済活動が活性化されることで景気回復へ向かうとされます。

名目金利の概要

名目金利の使用例について

本用語(名目金利)は、ニュースや経済記事などでよく見かけ、例えば、以下のように用いられています。

・伝統的な金融政策では、これ以上、名目金利を下げることができない
・デフレ下では、名目金利は低くても、インフレ率がマイナスとなり、実質金利は高くなる
・名目金利にはマイナスの下限があるにしても、企業や家計の経済行動に影響を与えるのは実質金利だ
・景気後退期に名目金利の下げ余地を確保するために、比較的景気の良い今は金融を引き締めておくべきだ
・貯蓄の増加と投資需要の減少は名目金利を押し下げ、また消費の減少は物価やインフレ率を下押しする

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