現先取引

読み方: げんさきとりひき
英語: Gensaki
分類: オープン市場

現先取引は、有価証券等を一定期間後に一定の価格で"買い戻す"または"売り戻す"ことを、予め約束して売買する取引をいいます。

売り方と買い方が双方合意の上、一定期間の利回りを相場の変動とは無関係に確定させるもので、通常、売買の形式をとりながら、利子および当初売買と反対売買の単価差を組み合わせることで、一定期間の利回りを確定する仕組みとなっています。

ここでは、日本の短期金融市場で行われている「現先取引」について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

現先取引の概要について

現先取引は、債券CP(コマーシャルペーパー)、CD(譲渡性預金)などを、一定の期間後に、一定の価格で"買い戻す"あるいは"売り戻す"ことを予め取り決めた短期の資金取引をいいます。通常、取引の期間は、短いもので1日、長いもので数カ月となっており、また取引の収支尻は「現先レート」と呼ばれる金利で計算されます。

一般に現先取引は、売り手から見た場合を「売り現先(買戻し条件付売買)」、買い手から見た場合を「買い現先(売戻し条件付売買)」と呼び、短期金融市場(オープン市場)において、売り手にとっては、短期の資金調達手段として、また買い手にとっては、短期の資金運用手段として、主に銀行や証券会社などで利用されています。

現先取引

債券の現先取引について

日本のマーケットにおいて、「現先」と言った場合、債券の現先取引を指し、短期金融市場において、実質的に債券を担保とした金融機関間の資金の貸し借りという意味合いを持ちます。このような背景により、日銀公開市場操作の一つとして、国債を使った現先取引によって、金融市場の資金需給を調節しています。

なお、債券の現先取引と似た取引に、債券のレポ取引がありますが、現先が債券を担保に現金を貸し借りするのに対して、レポは現金を担保に債券を貸し借りするというもので、その実体は、債券と現金のどちらに注目しているかの違いだけで、実質的な経済効果は同じと言えます。

債券の現先取引とは

債券の現先取引は、「債券の条件付売買取引」とも呼ばれ、売買の目的たる債券等と同種・同量の債券等を、将来の所定期日に所定の価額で買い戻すこと又は売り戻すことを内容とする特約付の債券等の売買をいいます。

債券の現先取引の分類

債券の現先取引は、目的に応じて、自己現先、委託現先、直現先の3つに分類されます。

|自己現先|
証券会社が自己の資金繰りのために、自己で保有する債券を買戻し条件付きで売却し、短期の資金調達を行う「売り現先」取引。

|委託現先|
証券会社が仲介する取引のことで、顧客の委託を受けて行う「売り現先」取引。

|直現先|
都市銀行等の金融機関が、証券会社を経由しないで、直接、事業法人等に対して行う「売り現先」取引。

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