日銀特融

読み方: にちぎんとくゆう
分類: 日銀

日銀特融は、単に「特融」とも呼ばれ、日本銀行法に基づいて、日本銀行が行う特別融資のことをいいます。

日本において、広い意味でのセーフティネットの一つと位置付けられるもので、経営危機等で一時的な資金不足に陥った金融機関に対し、他に資金の供給を行う主体がいない場合に、日銀が最後の貸し手として一時的な資金の貸付(流動性の供給)を行うことがあります。

ここでは、日銀特融の概要について、簡単にまとめてみました。

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日銀特融の基本事項

日銀特融は、政府(内閣総理大臣および財務大臣)からの要請を受けて、日銀の政策委員会が金融システムの安定のため、特に必要があると判断する場合に、特別の条件による資金の貸付のことをいいます。

現在、特融における金利その他の条件は、金融システムの安定のために実施するものであるという性格に鑑み、政策委員会において個別に決定されます。

特融等に関する4原則

日本銀行は、「資金の貸付けその他の信用秩序の維持のために必要と認められる業務(特融等)」を行う場合、従来より、政府からの要請を前提に、以下の四つの原則に基づいて、その可否を判断しています。

(1)システミックリスクが顕現化する惧れがあること
(2)日銀の資金供与が必要不可欠であること
(3)モラルハザードの防止の観点から、関係者の責任の明確化が図られるなど適切な対応が講じられること
(4)日銀自身の財務の健全性維持に配慮すること

日銀特融の実施例

日銀特融は、広い意味でのセーフティネット(金融危機回避のための手段)の一つと位置付けられています。

過去に実施した例として、金融機関の破綻処理や危機を未然に防ぐための公的資本注入に際し、必要な期間において、営業の継続に要する資金を供給するためのつなぎ融資の実行のほか、劣後ローンの供与などがありました。

<1995年の実施例(対象先)>

コスモ信用組合、木津信用組合、兵庫銀行、みどり銀行、山一證券、北海道拓殖銀行 他

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