モラルハザード

英語: Moral hazard
分類: 概念

モラルハザードは、日本においては、規律喪失や道徳的危険(倫理観の欠如した状態)をいいます。

元々は、保険業界で使われていた用語で、「保険によって事故が補償される」という考えが醸成されることにより、被保険者のリスク回避や注意義務を阻害するという現象を指します。

1998年の金融危機の際に、公的資金の注入や預金保険などのセーフティネットがあったことから、金融機関の経営者や株主、預金者らがリスクを軽視し、「自己規律を喪失した状態(倫理観の欠如)」の意味で使われて以降、時事用語の一つになりました。

昨今では、モラルハザードは、リスク(危険)を回避するために整備した仕組みによって、それとは反対に人々の注意が散漫になって危険の発生確率が高まる「規律や倫理観が失われた状態」を指し、金融関連だけでなく、広く用いられるようになっています。

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