パートをしている主婦の方の税金は?

1990年代のバブル崩壊後、慢性化した景気低迷の中、家計の収入が伸びない(減る)状況において、子育て(育児)が一段落した主婦の方が、家計を助けるためにパートに出て働くケースが増えています。専業主婦の時は、特に税金について注意を払う必要がありませんでしたが、パートで出て働く場合には、「パート収入と税金の関係」については十分に注意を払う必要があります。

一般に主婦の方がパートに出て働く場合、自分自身に「所得税」や「住民税」がかかるのかどうか、また夫が負担する「税金」や勤務先から支給される「手当」などが不利にならないかどうかなど、事前に把握しておくことが必要です。また、収入の額によっては、「社会保険」にも影響することがあるので、後で失敗しないためにも、税金と社会保険の両方についてよく検討するようにしましょう。

所得税と住民税の基本事項

一般にパートで収入を得ると、「所得税」と「住民税」がかかってくることがあります。

|所得税

個人の一定額以上の所得に対して課税される税金(国税)です。通常、パートで働く場合、給与所得が対象となります。

以下は、年収180万円以下のパート収入の課税所得金額の簡易計算式で、所得税が発生しない「課税所得がゼロとなる年収は103万円以下」となります。

課税所得金額
 =給与所得-給与所得控除額-基礎控除額
 =給与所得-65万円-38万円

|住民税

個人の一定額以上の所得に対して課税される税金(地方税)です。これには、道府県民税市町村民税の二つがあり、通常、パートで働く場合、給与所得が対象となります。また、住民税は、所得割(所得に応じて税金がかかる) と均等割(所得にかかわらず一律)の二つがあり、所得割の非課税限度額は全国一律35万円ですが、一方で均等割の非課税限度額は生活保護基準の級地区分によって、1級地(35万円)、2級地(35万円×0.9)、3級地(35万円×0.8)の三つの区分があります。

以下は、年収180万円以下のパート収入の課税所得金額の簡易計算式で、住民税の所得割が発生しない「課税所得がゼロとなる年収は100万円以下」となります。ここで、給与所得控除額(65万円)と基礎控除額(33万円)の合計額が98万円ですので、所得割が発生するのは年収98万円からと勘違いされる方が多いですが、これについては、非課税限度額(所得35万円以下の方には課税されない)が優先されるため、給与所得控除額(65万円)と非課税限度額(35万円)を足した年収100万円まで所得割はかかりません。

課税所得金額
 =給与所得-給与所得控除額-基礎控除額
 =給与所得-65万円-33万円

主婦自身の税金について

一般にパート収入は給与所得となり、所得税と住民税の年収に対する課税関係は以下のようになります。なお、ここで注意しなければならないのは、住民税の均等割の非課税限度額で、これは居住地域により異なりますので、事前に役所のホームページ等でご確認ください。

|パート収入と課税関係:年収100万円以下

・住民税の所得割も均等割もかからない(1級地の場合)。
・所得税はかからない。

※2級地では、年収96.5万円超から住民税の均等割がかかる
※3級地では、年収93.0万円超から住民税の均等割がかかる

|パート収入と課税関係:年収100万円超103万円以下

・住民税の所得割も均等割もかかる。
・所得税はかからない。

|パート収入と課税関係:年収103万円超

・住民税の所得割も均等割もかかる。
・所得税はかかる。

夫の税金への影響について

一般に妻のパート収入は、夫の所得から「配偶者控除」が受けられるかどうかにも影響します。これについては、妻のパート収入(年収)が103万円以下の場合、所得税でも住民税でも、妻は控除対象配偶者になれます。

また、配偶者に38万円を超える所得(年収103万円超)があるため、配偶者控除の適用が受けられない時でも、配偶者の所得金額(38万円超・76万円未満)に応じて、一定の金額の所得控除が受けられる場合があり、これを「配偶者特別控除」といいます。この配偶者特別控除を受けるためには、控除を受ける夫のその年における合計所得金額が1000万円以下であることが必要です。