譲渡性預金

読み方: じょうとせいよきん
英語名: Certificate of Deposit(CD)
分類: オープン市場

譲渡性預金(譲渡性預金証書)は、「CD(NCD)」とも呼ばれ、大口預金者向けの商品で、オープン市場(金融市場)において、第三者に自由に譲渡できる定期預金をいいます。これは、発行金額・期間・金利・保有者に何ら制限がない「譲渡性」と「流通性」を持った、第三者に指名債権譲渡方式で譲渡することができる、無記名の定期預金証書を指します。

一般に通常の定期預金証書は、他人に譲り渡すことはできませんが、譲渡性預金証書は、預金者が必要に応じて、いつでも金融市場で自由に売却ができ、また金利市場金利を反映して決められます。

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譲渡性預金の仕組み

譲渡性預金は、満期日(払戻し期限)の定めがある預金ですが、通常の定期預金とは異なり、譲渡禁止の特約がなく、発行金融機関所定の手続きにより譲渡が可能になっています。

●譲渡性預金の発行

金融機関との交渉で、発行金額や期間、金利など、発行条件を自由に設定できる。また、金融機関が「無記名の証書」を発行することで、譲渡が可能となっている。なお、契約成立後の取り消しや訂正はできない。

●譲渡性預金の譲渡

譲渡方法は、指名債権譲渡の方法による。通常、満期日前に譲渡する場合、市場実勢価格での譲渡となり、その際に市場金利の上昇や発行金融機関の信用状況の変化等により、投資元本を割り込むことがある。また、買い手がつかない場合、譲渡できないこともある。(発行金融機関は自行発行の譲渡性預金の譲渡・買取を受けない)

●譲渡性預金の会計上の処理

譲渡性預金は、金融商品取引法に定義する有価証券に該当しないが、有価証券に類似し活発な市場があることから、取得者側では有価証券として計上することとされている。

譲渡性預金の市場での位置づけ

譲渡性預金は、「債券現先」や「コマーシャルペーパー」と並ぶ、短期金融市場(オープン市場)の代表的な商品で、現在、金融機関や機関投資家、各種法人などに保有され、売買されています。また、その中でも「CD3ヶ月物」は、短期金利の指標の一つとなっています。

●譲渡性預金の名称

譲渡性預金は、「(Negotiable) Certificate of Deposit」の略で、通常は「CD」と略称されるが、キャッシュ・ディスペンサー(Cash Dispenser)との誤解を避けるために、銀行関係者等は「NCD」の略称を使うことも多い。

●譲渡性預金の市場での流通方式

買切り・売切りの「無条件売買方式」と、一定期間後に一定価格での反対売買を約束して行う「現先方式(条件付売買)」の二種類があり、通常の取引は、現先方式が中心となって行われている。

譲渡性預金の沿革

1961年に米国でシティバンクが大口預金者の流出をつなぎとめるために譲渡性預金の取扱いを開始して以来、余裕資金の運用対象として市場が急拡大し、その後、ユーロ市場にも波及しました。日本においては、1978年に金融制度調査会が導入を決定し、証券会社が行っていた債券の現先取引市場への対抗を図るために、1979年5月から都市銀行等が取扱いを開始しました。

発行当初は、流通市場が整備されていなかったため、市場の発達は遅れましたが、1980年から短資会社の仲介による転売が増え始めて以来、市場が順調に拡大し、一時期はコール市場と並ぶ、銀行の重要な短期資金の調達手段になりました(昨今では市場が縮小)。また、スタート時は、一口の最低発行単位は5億円以上で、預入期間は3カ月以上6カ月以内とされていましたが、その後、数度にわたって規制が改訂されたことで、発行単位や預入期間の規制がなくなり、今日では、自由に発行できるようになっています。

譲渡性預金の基本事項

譲渡性預金は、払戻しについて期限の定めがある預金で、譲渡禁止特約のないものをいいます。

取扱機関 都市銀行や地方銀行など
利用対象者 法人および個人
預入期間 満期日指定方式
払戻方法 ・満期日以後に一括して払戻し
・譲渡可能(中途転売可能)
預入金額 5,000万円以上や1,000万円以上など
適用利率 預入時点にその時点での市場実勢を反映し決定
利払い ・預入期間2年未満のものは、元金の払戻し時(満期日)に元本と共に一括して支払う
・預入期間2年以上のものは、中間利払いを行う。この場合の中間利払日は、預入日の1年ごとの応当日となる
中途解約 満期日前の解約はできない
税金 法人:総合課税、個人:源泉分離課税 ※除く非居住者
備考 ・預金保険の対象ではない
・満期日以後は利息を付けない
・発行者の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評価等により、損失を被ることがある