デフォルト

英語: Default
分類: デフォルト

デフォルト(Default)は、英語では、怠慢や債務不履行、初期設定、欠席、欠場といった意味があります。これは、日本語では、金融に関しては「債務不履行」といった意味で使われ、また金融以外に関しては「初期設定」や「普通、定番、仕様」といった意味で使われ、各々で大きく異なっています。

ここでは、身近な用語の一つである「デフォルト」について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

金融における「デフォルト」の意味

デフォルトは、日本語では「債務不履行」とも呼ばれ、債券の発行者が破綻等で利払い元本の支払いを停止することや、融資プロジェクトファイナンスなどの返済が滞ることをいいます。これは、事業会社(企業等)だけでなく、国や地方自治体にも起こることがあり、過去においては、1998年にロシアで、2001年にアルゼンチンなどで起こり、大きな金融危機となりました。

<本用語の使用例>

・このまま行けば、対外債務はデフォルトになるだろう
・最近の通貨安は、デフォルトの現実的なリスクを示唆している
・投資会社の間では、数年以内にデフォルトに陥るとの見方が強まっている

デフォルトが起きた場合

デフォルトが起こると、利息が支払われなかったり、元本の回収ができなかったりするため、非常に深刻な事態となり、時には金融機関や関連企業、投資家、マーケットなどを揺るがすこともあります。

例えば、巨額の資金調達を行ったプロジェクトファイナンスなどの大型案件では、銀行団などに対して利払いの延期や債務の削減交渉などが行われて事態の打開を図ることが多いですが、その場合には金融機関や関連企業などに多額の損失が発生することもあります。

債券のデフォルトリスク

債券については、投資家が直接保有することから、投資家がデフォルトリスクを直接抱えることになります。そのため、債券投資にあたっては、利払いや元本の返済の安全性について客観的に知る必要があり、「格付け」が一つの判断材料になります。

格付けとは、S&PやMoody's、Fitch Ratingsなどの格付会社が債券の信用力や元利金の支払能力の安全性などを総合的に分析してランク付けし、AAAやAa1などの符号で表示したもので、発行体の財務状況などの変化に合わせて随時見直されます。

金融以外における「デフォルト」の意味

デフォルトは、金融以外においては、ソフトウェアやハードウェアの「初期設定」、およびそれが転じて「普通、定番、仕様」といった意味で日常的に使われており、また「デフォ」とも略されます。

ソフトウェアやハードウェアのデフォルト

デフォルトは、ソフトウェアやハードウェアにおいては、初期設定(標準設定)のことをいいます。これは、パソコンソフトやスマホアプリ、コンピュータ、周辺機器、電子機器などで広く使われており、予め設定されている「標準の動作条件設定」であり、通常、個人向けの場合は、そのままの状態で普通に使うことができます。

なお、デフォルトに対して、ユーザーが設定を変更することを「カスタマイズ」と言います。

<本用語の使用例>

・トラッキング防止機能がデフォルトで有効になる
・パワーオンにすると、デフォルトでEVモードとして始動する

日常的な意味のデフォルト

デフォルトは、日常的(俗語的)には、普通や定番、仕様のことをいいます。これは、「基本的な状態」を意味する場合に使われ、通常、年代の若い方が用いることが多いです。

<本用語の使用例>

・これは、どうしたって、赤ワインがデフォルトでしょう
・考え方や想い、感情をポジティブにアウトプットすることがデフォルトとなっている

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