会社役員賠償責任保険(D&O保険)

読み方: かいしゃやくいんばいしょうせきにんほけん
分類: 損害保険(種類)

会社役員賠償責任保険は、「D&O保険」とも呼ばれ、会社役員としての業務が原因で、保険期間中に損害賠償請求がなされたことによって被る損害を、総支払限度額の範囲内で支払う保険をいいます。

具体的には、契約者が法人(会社)で、被保険者が会社役員で契約され、保険期間中に株主代表訴訟や第三者訴訟などにより損害賠償請求を受けた場合に、「法律上の損害賠償金」および「争訟費用」の損害に対して保険金を支払うものとなっています。

※D&O:Directors and officers

目次:コンテンツ構成

会社役員賠償責任保険の加入

現在、日本において、上場企業の多くが「会社役員賠償責任保険(D&O保険)」に加入していますが、補償額は10億円以下がほとんどで、欧米の企業より補償額が小さいため、上限以上の支払いが必要になった場合は役員の自己負担となることもあります。

◎2015年4月から独立行政法人の役員も損害賠償責任を負うようになり、また2015年6月から上場企業で複数の社外取締役の選任を求められるようになり、社外取締役の損害賠償責任も注目されるようになった。

◎時代の変化と共に補償ニーズが高まる中、損害保険会社の方では、社外取締役の補償を他の役員よりも手厚くしたり、基本契約の補償上限を大幅に引き上げたり、また弁護士紹介サービスを提供したりするなど、保険の拡充を図っている。

会社役員賠償責任保険の損害賠償請求例

会社役員賠償責任保険(D&O保険)において、想定される損害賠償請求例として、例えば、以下が挙げられます。

◎新規事業の失敗で多大な損失となり、本業の業績が大幅に悪化したことから、新規事業への過大な投資判断に重大な過失があったとして、株主から損害賠償請求を受けた。

◎従業員の不正取引により会社が巨額な損失を被ったことに対して、役員としての監督義務を果たしていなかったとして、株主から損害賠償請求を受けた。

◎ハラスメント行為を防止する適切な内部統制システムを構築しなかったとして、ハラスメントの被害にあった従業員等から損害賠償請求を受けた。

iFinancial TV