ボルカールール

英語名: Volcker Rule
分類: 米国

ボルカールールは、2010年7月に成立したアメリカ合衆国の「金融規制改革法(ドット・フランク法)」に盛り込まれた条項(金融規制策)をいいます(2014年4月1日から施行、順守期限は2015年7月21日)。これは、リーマン・ショックを発端とした世界的な金融危機を受け、ウォール街の安定を回復する手段として、オバマ大統領の経済財政諮問会議議長だったポール・ボルカー元FRB(連邦準備理事会)議長らが提唱したもので、米国の商業銀行に対して、ヘッジファンド等への出資を禁止したり、自己資金による高リスク商品への投資などを制限するものとなっています。

一般にボルカールールは、米国の銀行(預金機関)やその関連機関による過剰なリスクテイクを制限するという重要な目的があり、本ルールによって、ウォール街でのトレーディングに対する米国政府の監視が強化されました。なお、2017年に発足したトランプ政権において、ドット・フランク法の一部を見直す新法の「経済成長・規制緩和・消費者保護法(Economic Growth, Regulatory Relief, and Consumer Protection Act)」が2018年5月に成立し、現在、ボルカールールの修正案(緩和案)が検討されています。

※当初のボルカールールの最終案は、2013年12月10日に公表され、同日にFRB(連邦準備理事会)、FDIC(連邦預金保険公社)、OCC(通貨監督庁)、SEC(証券取引委員会)、CFTC(商品先物取引委員会)の五機関すべてが承認した。

<ボルカールールの最終案の概要>

●自己勘定取引

銀行が証券、金融派生商品、商品先物・オプションの短期的な自己勘定取引を行うことを禁止(例外項目として、引受業務、マーケットメーキング、ヘッジが設けられている)。

●ファンド

銀行が個々のヘッジファンドやプライベート・エクイティ・ファンドの総資産の3%以上の出資を行うことを禁止。

●国債

適用除外範囲は拡大(外国国債については、米国債よりも規制が多いものの取引は可能)。

●経営陣

銀行の経営陣は、規制を順守するために適切なプログラムを社内で実施していることを証明。

●外国銀行

外国銀行は、リスクの所在が米国外であることを条件に、自己勘定取引は今後も容認(米国機関との取引については、特定の状況に限り認めることで安全性強化を図る)。