デュレーション

英語名: Duration
分類: 取引

デュレーションは、英語(duration)では、持続や継続、期間といった意味があります。これは、債券投資においては、債券に投資された資金(キャッシュフロー)の「平均回収期間」と、債券の金利変動(一定の利回り変化)による「価格変動性(価格弾力性)」の二つの意味があります。

ここでは、債券投資で基本となる「デュレーション」について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

デュレーションの平均回収期間の意味

デュレーションは、平均回収期間の意味においては、債券の将来の利息収入と償還金の合計額が実質的に平均何年後に回収できるかを見るものです。具体的には、債券の将来のキャッシュフローである利息収入と償還金について、各キャッシュフローの現在価値を加味した回収期間の加重平均をもって算出されます。

これより、債券の満期までの期間(残存期間)が長いと回収までに時間がかかるため、デュレーションは大きくなり、またクーポンレートが高いと回収までに時間がかからないため、デュレーションは小さくなります。

◎平均回収期間を意味するデュレーションは、「マコーレー・デュレーション」と呼ばれるものである。

◎債券のデュレーションは、残存期間が長いほど長く、またクーポン(受取利息)が高いほど短くなる。

利付債のデュレーションは、利息収入があるため、残存期間よりも短くなるのに対して、割引債のデュレーションは、利息収入がないため、残存期間と同じになる。

デュレーションの価格変動性の意味

デュレーションは、価格変動性の意味においては、債券の金利の変化に対する、債券価格の感応度(変動の割合)を見るものです。具体的には、金利が一定の変動をした時に、債券価格がどの程度変化するかを示すもので、この値(絶対値)が大きいほど、金利の変動による債券価格への影響が大きいことを示します。

通常、債券投資においては、利回りの変化率に対する、価格の変化率を示す指標として「修正デュレーション」が使用されます。

◎修正デュレーションが大きいということは、金利リスクが大きい(金利変動に対する債券価格の変動率が大きい)ことを示す。例えば、修正デュレーションが5の場合、金利が1%上昇(下落)すると、価格は5%程度下落(上昇)することになる。

◎平均回収期間の長い債券ほど、金利変動による債券価格の変動(影響)が大きくなるのに対して、平均回収期間の短い債券ほど、金利変動による債券価格の変動が小さくなる。

デュレーションの基本的な種類

債券投資で「デュレーション」と言った場合、いくつかの種類があり、代表的なものとして以下が挙げられます。

|マコーレー・デュレーション

マコーレー・デュレーション(Macaulay Duration)は、債券投資の平均回収期間を表すものです。具体的には、将来受け取ることのできる利息と元本の現在価値と、それらを受け取るまでの期間の長さを加重平均して計算します。ちなみに、この名称は、デュレーションの理論を最初に発表した、フレデリック・マコーレーにちなんで名付けられました。

|修正デュレーション

修正デュレーション(Modified Duration)は、一定の利回り変化に基づく債券の価格変化の大きさを表すものです。具体的には、債券投資の平均回収期間を表す「マコーレー・デュレーション」を(1+最終利回り)で割って計算します。

修正デュレーション
=マコーレー・デュレーション/(1+最終利回り)

|実効デュレーション

実効デュレーション(Effective Duration)は、債券に付随する、期限前償還等のオプションの影響を加味し、市場金利の変化に対する債券価格の変化の感応度を表すものです。例えば、MBSやABSなどの証券化商品について用いられます。

債券投資におけるデュレーションの活用

ファンドなどの債券投資では、経済環境(債券市場)に対する見通しに基づき、デュレーションを対応させて活用し、これによってポートフォリオの最適化(価値増大)を図っています。また、「投資期間=デュレーション」とすると、金利リスクを回避することができます。

◎債券市場に対する見通しが「金利低下」と強気の場合、デュレーションの長期化を図る。

◎債券市場に対する見通しが「金利上昇」と弱気の場合、デュレーションの短期化を図る。

◎ポートフォリオの運用において、異なる償還期限(年限)を持つ債券の利回りの動きは必ずしも一致するとは限らないため、同じデュレーションのポートフォリオが、必ずしも同じリターンを生み出すとは限らないことに注意が必要。

一般に債券投資では、金利の方向性を予測できれば、デュレーションをコントロールすることにより収益を得られますが、一方で予測をあてるのは結構難しいです。そのため、デュレーションリスクを取らずに、ボラティリティイールドカーブの動きを予測し、ダンベル型ポートフォリオやブレット型ポートフォリオなどで運用するという手法もあります。