手元資金

読み方: てもとしきん
英語: Cash reserves
分類: 財務分析

手元資金は、貸借対照表(B/S)の流動資産の「現預金と短期保有の有価証券を合わせたもの」をいいます。

いつでも使用できる流動性の高い資金の総称で、また企業が比較的自由に使える資産と位置づけられ、その額が有利子負債を上回っている場合を「実質無借金」と言い、そのような状況の企業を「実質無借金企業」と言います。

一般に企業は、日々の事業活動において、手元資金が豊富にあると財務面でゆとりが生じますが、一方でその資金を事業面や株主還元面などで、いかに有効活用するかが求められます。

特に日本の優良企業では、平常時や好調時に設備投資や企業買収、株主配分など、豊富な手元資金をどう有効活用するかが大きな課題となっており、昨今では、株主や投資家などから厳しい目で見られています。

ちなみに、似たような用語に「剰余資金」がありますが、これは手元資金から事業活動に必要な資金や直近で予定されている資金などを差し引いたものを指します。

※2008年-2009年の世界金融危機では、日本の企業は資金調達が難しくなった経験から、手元資金の重要性を認識させられ、その後、自己防衛として手元資金を積み上げるようになった。

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