売上原価

読み方: うりあげげんか
英語: Cost of sales
分類: 財務諸表/損益計算書

売上原価は、損益計算書(P/L)の費用項目の一つで、企業が商品やサービスを仕入れたり、製造したり、提供したりする時にかかる費用(仕入原価、製造原価)をいいます。これは、企業の主たる営業活動による収益獲得のために直接に要した原価の合計金額であり、業種によって具体的内容が異なり、また業種によって違う名称の科目を使うこともあります。

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売上原価:損益計算と財務指標

損益計算書(P/L)において、売上高から売上原価を差し引いて計算される利益を「売上総利益(粗利益)」と言います。売上総利益は、事業活動において、販売された商品やサービスの利鞘の合計額であり、企業にとって収益や競争力の源泉といえます。

◎売上総利益=売上高-売上原価

また、売上高に占める売上原価の構成比率を「売上原価率」と言い、企業の収益力を示す財務指標の一つとなっています。

◎売上原価率=(売上原価÷売上高)×100

売上原価:仕入原価と製造原価

原価とは、会計上においては、商品やサービスの利益を含めていない仕入れ値段や、製品の生産・販売に要した費用を単位当たりに計算したコストをいいます。

一般に仕入原価は、完成した商品を仕入れて販売する際の費用をいうのに対して、製造原価は、工場で製品の製造に要した費用をいいます。

売上原価:業種による原価

物品販売業(卸売業・小売業)の場合は、「売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高」であり、製造業の場合は、「売上原価=期首製品棚卸高+当期製品製造原価-期末製品棚卸高」であり、またサービス業の場合は、サービス提供に対応する原価部分をいいます。

一方で、建設業の場合は、個別受注工事のため、期首および期末棚卸高という概念がなく、完成工事高(建設業で売上高に相当する科目)に対する原価部分として「完成工事原価」という科目を使用します。

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