TPP(環太平洋パートナーシップ協定)

読み方: てぃーぴーぴー
英語: Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement
分類: 貿易・協定

TPPは、環太平洋において、モノの関税だけでなく、サービスや投資の自由化を進め、さらには知的財産や金融サービス、電子商取引、国有企業の規律など幅広い分野で21世紀型のルールを構築する経済連携協定(EPA)をいいます。

元々は、2006年5月に発効した、シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4カ国が参加する自由貿易協定(FTA)が原型で、その後、米国、豪州、ペルー、ベトナム、マレーシア、メキシコ、日本、カナダを加えた12カ国で交渉が行われ、2015年10月に大筋合意に至りました。

2016年2月にニュージーランドにおいて、TPP協定が12カ国により署名されましたが、2017年1月に米国がTPPを離脱したことで、TPP協定が発効できず、協定の見直しが必要となりました。

そして、米国を除いた11カ国による協議を経て、2017年11月に当初のTPPの一部項目を凍結した協定に大筋合意し、その名称を「CPTPP(TPP11協定)」に変更し、2018年3月にチリにおいて、TPP11協定の署名式が行われ、2018年12月に発効しました。

※TPPは、日本語では「環太平洋戦略的経済連携協定」や「環太平洋パートナーシップ協定」とも呼ばれる。

目次:コンテンツ構成

TPPの参加国について

TPPの参加国は、以下のようになっています。

2016年2月のTPP協定の署名時

オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、米国、ベトナム

2018年3月のTPP11協定の署名時

オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナム

※2017年1月に米国がTPPを離脱。

TPPの仕組みについて

2001年1月に発効したニュージーランドとシンガポールの「ANZSCEP(FTA)」をベースとしており、原則として、例外品目がなく、100%自由化を目指す質の高いFTAとなっています。

また、同時に極めて包括的な協定であり、物品の貿易や税関手続き、知的財産、政府調達、サービス貿易など、投資を除く幅広い分野を対象とする包括的なFTAであり、労働と環境も補完協定として協力が規定されています。

さらに、本協定が戦略的協定とされているのは、アジア太平洋経済協力(APEC)のモデル協定として作られ、APEC諸国の加盟を企図し、APECのFTA協定への発展性を内包している点にあります(他国にも門戸を開放)。

TPPの基本的な考え方について

TPPの基本的な考え方は、以下のようになっています。

高い水準の自由化が目標

アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)に向けた道筋の中で、実際に交渉・締結されたものであり、同地域における高い水準の自由化が目標である。

非関税分野や新しい分野を含む包括的な協定

FTAの基本的な構成要素である物品市場アクセス(物品の関税の撤廃 ・削減)やサービス貿易だけでなく、非関税分野(投資、競争、知的財産、政府調達等)のルール作りのほか、新しい分野(環境、労働、分野横断的事項等)を含む包括的協定となっている。

TPPの主な特徴について

TPPは、21世紀型の画期的な協定にしており、次世代の課題を取り上げつつ、世界の貿易の新たな基準を設定しています。

・包括的な市場アクセス
・コミットメントに対する地域的アプローチ
・新たな貿易課題への対処
・包摂的な貿易
・地域統合のプラットフォーム

TPPの主な経緯について

TPPの主な経緯は、以下のようになっています。

・2006年5月:シンガポール、ニュージランド、チリ、ブルネイからなる「P4」が発効
・2008年9月:米国が交渉開始の意向を表明
・2010年3月:米国、オーストラリア、ペルー、ベトナムを加え、8カ国で交渉開始
・2010年10月:マレーシアが交渉参加で計9カ国に
・2011年11月:日本、カナダ、メキシコが交渉参加に向けた協議開始 の意向を表明
・2012年10月:カナダとメキシコが交渉参加で計11カ国に
・2013年7月:日本が交渉参加で計12カ国に
・2015年10月:アトランタでの閣僚会合で大筋合意が成立
・2016年2月:ニュージーランドでTPP協定が12カ国により署名
・2017年1月:米国がTPPを離脱
・2017年5月:ベトナムでの閣僚会合で11カ国によるTPP協定(TPP11)の早期発効を確認
・2017年11月:ベトナムでの閣僚会合で当初のTPPの一部項目を凍結した「CPTPP(TPP11)」に大筋合意
・2018年1月:日本での高級事務レベル会合で協定本文及び凍結項目を確定
・2018年3月:チリで米国を除く11カ国によるTPP11の署名式を開催
・2018年12月:TPP11協定が発効
・2021年6月:英国の新規加入手続が開始

TPP11(CPTPP)について

TPP11協定は、正式には「Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership(CPTPP)」と呼ばれ、日本語では「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」と訳されます。

TPPについて、離脱を表明した米国以外の国の間で一部条文を除く、同協定の内容を実現するための新協定で、米国の不在に伴い停止する項目を絞り込んでいますが、当初のTPPの高い水準を維持しており、2018年3月にチリのサンティアゴにおいて署名式が行われました。

一般にTPP11は、成長著しいアジア太平洋地域において、物品・サービスの貿易自由化や投資の自由化・円滑化を進めると共に、知的財産や電子商取引、国有企業、環境など幅広い分野で、21世紀型の新たなルールを構築するという「TPP」のハイレベルな内容を維持しつつ、本地域における自由で公正な経済秩序の更なる拡大の礎になるという大きな戦略的意義を有しています。