連結決算

読み方: れんけつけっさん
分類: 企業会計

連結決算は、企業会計において、親会社のほか、子会社関連会社を含む、企業グループ全体の事業や財務活動の状況を反映した決算をいいます。

日本の上場企業等では、かつては単独決算の開示が中心でしたが、2000年3月期以降は連結決算の開示が中心となり、また国際財務報告基準(IFRS)では、連結決算での開示が求められています。

ここでは、連結決算の概要について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

連結決算の対象と目的

連結決算の対象となるのは、親会社本体のほか、資本や経営などの面で実質的な支配下にある子会社、影響力が及ぶ関連会社などとなっています。

原則として、全ての子会社や関連会社を含めることとされていますが、一方で連結グループ全体への影響度(重要性)が低い子会社や関連会社については、対象から外すことができるとされています。

一般に連結決算は、資本的および実質的に支配従属関係にある、法的に独立した複数の会社からなる企業グループを、経済的な観点から単一の組織体と見なし、その経営成績および財政状態を把握するために行われます。

連結決算の手続き

連結決算の手続きは、一般的には、以下のような流れとなっています。

(1)子会社や関連会社などから連結財務諸表の作成に必要な情報を収集する。

(2)親会社と子会社の財務諸表(貸借対照表や損益計算書など)を単純合算する。

(3)親会社と子会社との間で、資本連結、債権債務の相殺、損益取引の相殺、未実現損益の消去といった連結特有の調整を入れる。また、出資比率が20~50%の関連会社の業績は、出資比率に応じた額を持分法投資損益として営業外損益に計上することになる。

(4)連結決算日における連結財務諸表を作成する。

※連結決算日:連結財務諸表の作成において基準となる決算日。親会社の会計期間に基づき、年1回、一定の日を設定。

連結決算の作成書類(連結財務諸表)

連結財務諸表とは、親会社が連結決算で作成する書類で、複数の企業から構成される企業グループの財政状態や経営成績などを総合的に表示するために作成される財務諸表をいい、以下のような種類があります。

・連結貸借対照表
・連結損益計算書
・連結包括利益計算書
・連結株主資本等変動計算書
・連結キャッシュ・フロー計算書
・連結注記表

連結決算の特色

連結決算を実施することにより、親会社(支配会社)が作成した「連結財務諸表」では、一つの会社の単独決算で作成した「個別財務諸表」と比べて、企業グループの実態(業績や財政状況)をより明確に把握することができます。

◎連結決算では、連結グループ内での債権や債務、売買などは相殺消去されるため、子会社等を利用した決算操作はできず、グループ全体の経営実態をより明確に把握できる。

◎親子間での取引が多い企業グループでは、連結決算の数字が単独決算の数字とあまり変わらないケースが見られる一方で、親子間での取引が少ない企業グループでは、単独決算と連結決算が大きく異なるケースも見られる。

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