欧州中央銀行(ECB)

読み方: おうしゅうちゅうおうぎんこう
英語: European Central Bank(ECB)
分類: EU

欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ圏の物価安定を主要目的に、ユーロ圏の統一的な金融政策を担う中央銀行をいいます。

1998年6月1日に前身の欧州通貨機関(EMI)を衣替えする形で発足し、主な役割は、域内の金融政策の策定・実施、ユーロの発行・管理、為替操作(外国為替オペレーション)の実施、加盟国の公的外貨準備の保持・管理、決済制度の円滑な運営・促進などとなっています。

目次:コンテンツ構成

欧州中央銀行(ECB)の概要

欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ圏中央銀行で、政治的介入を受けず、独立性を維持しながら、域内の物価安定を図るのが主な目的となっています。

・設立:1998年6月1日
・本部:ドイツ・フランクフルト
・役割:ユーロの通貨発行・管理
・機関:役員会、政策理事会、一般理事会

<ECBの歴代総裁>

1.ウィム・ドイセンベルク(蘭:1998/6/1-2003/10/31)
2.ジャン=クロード・トリシェ(仏:2003/11/1-2011/10/31)
3.マリオ・ドラギ(伊:2011/11/1-2019/10/31)
4.クリスティーヌ・ラガルド(仏:2019/11/1-現在)

欧州中央銀行(ECB)の位置づけと任務

欧州中央銀行(ECB)は、ユーロシステムおよび欧州中央銀行制度(ESCB)の中核として位置づけられており、ユーロ圏各国にある中央銀行を管理すると共に、各国の中央銀行は託されている任務を一緒に遂行します。

通常、金融政策の変更については、特にインフレ動向に敏感で、日本銀行に比べて素早い対応をしますが、一方で為替介入については、成功する見通しがなければやらず、日本銀行に比べて非常に慎重です。

<ECBの基本的任務>

・金融政策の決定と実施
・加盟国の公的外貨準備の保有と運用
・外国為替操作の実施
・決済制度の円滑な運営の促進

ECB政策理事会の開催

ECB政策理事会は、欧州中央銀行(ECB)の最高意思決定機関です。

現在、金融政策に関する会合は、6週間に1度開催し、意思決定方式に輪番制を導入しています(投票権が輪番で回ってくる方式で、独仏などの大国は採決に参加できる頻度が小国よりも高まるよう配慮)。また、会合後に会見が開かれると共に議事要旨も公表され、総裁発言を文書で補足しています。

<理事会のメンバー>

・ECB総裁
・ECB副総裁
・4人の理事
・ユーロ圏各国の中央銀行総裁

※各国の政府関係者も出席するが、中銀の独立性を保つため、金融政策を指示する権利はない。

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