ADR

読み方: えーでぃーあーる
英語: American Depository Receipt
分類: 預託証券

ADRは、"American Depository Receipt"の略で、日本語では「米国預託証券(米国預託証書)」とも呼ばれ、ニューヨーク証券取引所などに上場されている、米国外の企業が米国で発行する預託証券をいいます。

外国株式等を米国証券市場で流通(売買)できるようにするために発案されたもので、その本券は原証券発行国の銀行に保管され、その見返りに米国の受託銀行が同一の権利内容を英語で表示した証書である「ADR」を発行するという仕組みになっています。

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ADRの概要について

ADRは、外国企業・外国政府あるいは米国企業の外国法人子会社などが発行する、有価証券に対する所有権を示す米ドル建て記名式譲渡可能預り証書をいいます。その預かり対象については、米ドル以外の通貨建ての株式ですが、制度的にはあらゆる種類の外国有価証券が可能になっています。

米国証券取引委員会(SEC)に米国内有価証券として登録されることにより、米国企業の株式と同様に売買・決済・保管され、また株式と同じ権利があるため、値上がり益や配当も同様に享受することができる。

◎発行する当該外国企業には、米国企業なみのディスクロージャーが求められており、米国人投資家にとって、特に中国やブラジル、インドなどの外国株式への身近な投資手段になっている(日本からもネット証券の米国株取引で、米国株と同様、リアルタイムで売買が可能)。

◎投資対象となる外国企業にとっては、米国での知名度向上に加え、資金調達などの財務目的でも利用されている。

ADRの分類について

ADRは、「スポンサー付き(Sponsored)のもの」と「スポンサーなし(Unsponsored)のもの」とに分類されます。

●スポンサー付きのADR

発行にあたって、原株の発行会社(スポンサー)が特定の預託銀行と預託契約を締結し、発行会社、預託銀行および投資家の権利義務を明確化した上で預託銀行が発行するもので、株式の新規発行または売出しを伴うか否かと情報開示の度合いによって、Level-1、Level-2、Level-3のプログラムに分類される。

●スポンサーなしのADR

投資家の要請に基づいて預託銀行が発行するもので、原株式の発行会社(スポンサー)は関与していない。

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