スプレッド

英語: Spread
分類: 概念

スプレッド(Spread)は、原義(英語)では、「広げる、伸ばす」という意味の動詞、または「広がり、幅」という意味の名詞を指します。これは、金融取引においては、「値幅・差額(金利差、価格差)」や「利鞘」のことをいい、また対象となる取引によって、それぞれ意味合いが異なります。

ここでは、金融用語の「スプレッド」について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

資産運用におけるスプレッド

スプレッドは、資産運用においては、相場の値段の開き、価格差、利回り差(金利差)をいいます。通常、株式や債券、コモディティ、先物・オプションなどの市場取引において、各銘柄の間には、必ず価格差や金利差などの「スプレッド」が発生しており、そこに一つの投資(収益)機会があります。

スプレッド取引
2つの商品間の価格差や金利差の差額(スプレッド)を利用して行う取引。

イールドスプレッド
本来は「利回り(イールド)の差(スプレッド)」という意味で、利回り面において、株式や債券などの有価証券の魅力度を比較する際の指標。

外国為替証拠金取引(FX)におけるスプレッド

スプレッドは、外国為替証拠金取引(FX)においては、通貨ペアの提示レートの「売値(Ask、Offer)」と「買値(Bid)」の差をいいます。

通常、売買が活発な(流動性が高い)通貨ペアほど狭くなり、また同じ通貨ペアでも、時間帯や相場環境によって変動することがあります。例えば、米ドル/円で、レートが「100.000-002」の場合、スプレッドは0.2銭ということになります。

一般にスプレッドは、FXの顧客にとって、取引手数料と共に、コストの一つになるので、スプレッドが狭い方が「有利な取引環境(売買で利益を出しやすい環境)」にあると言えます。

◎買い値の方が売り値の方よりも常に高いため、FXでは、ポジションを持った(買った or 売った)瞬間に、スプレッド分だけマイナス(評価損)からのスタートになる。

◎スプレッドが通常より広い場合、FXのリスクの一つである「流動性リスク」が高い状況が考えられ、為替レート(相場)の急変動も含めて、取引には細心の注意が必要である。

融資におけるスプレッド

スプレッドは、融資においては、利鞘(りざや)のことをいいます。これは、市場金利に一定の利鞘(スプレッド)を乗せた金利での融資である「スプレッド融資(スプレッドローン)」で使われる概念で、通常、融資先の信用力や競業他行の状況などによって決定されます。

外国証券投資における為替スプレッド

証券会社等において、外国債券や外国株式、外国投資信託などの外国証券投資に際しては、各通貨ごとに設定された「為替スプレッド」を反映した為替レートが適用されます。

この場合、為替スプレッドとは、外国証券投資にあたって、円貨から外貨に、外貨から円貨に替える際に、取引会社(証券会社等)の基準為替レートと適用為替レート(顧客に提示する為替レート)の差分に相当するものです。

通常、円貨から外貨に交換する場合は、スプレッドを上乗せし、また外貨から円貨に交換する場合は、スプレッドを差し引くことになるので、運用面においては、一つのコストになります。

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