貿易保険

読み方: ぼうえきほけん
分類: 保険区分

貿易保険は、貿易や海外投資などの対外取引について、通常の保険では救済できないリスク(危険)をカバーする保険をいいます。これは、輸出や輸入、仲介貿易、海外投資などの対外取引において生じる、非常危険(国際紛争・テロ・為替取引等)や信用危険(相手方の破産・債務不履行等)による損失といった、通常の保険によって救済することができない危険を補償する制度となっています。

現在、日本では、貿易保険への民間保険会社の参入は自由となっていますが、その引受の中心は、政府が100%出資する特殊会社の「日本貿易保険(NEXI)」が担っています。(9割超のシェアを占有)

日本の貿易保険

日本の貿易保険制度は、1950年の創設以来、貿易取引や海外投資において生ずる取引上のリスクをカバーするものとして、日本経済の根幹をなす対外取引の健全な発展に大きな役割を果たしてきました。

・1950年に輸出保険法に基づき、「輸出保険」が制定
・1987年に対外取引に係るいくつかの政府保険制度が統合されて貿易保険法となり、「貿易保険」に改称
・2001年に独立行政法人の日本貿易保険(NEXI)が引き受け、国が再保険する形に移行
・2005年に民間の参入が開始
・2017年にNEXIの特殊会社化により「株式会社日本貿易保険」を設立。これに伴い、国の再保険は廃止

※2017年4月にNEXIの特殊会社化に伴い、国による再保険の仕組みは廃止されたが、その一方で、非常時にも保険金の確実な支払いを担保するため、NEXIの資金調達が困難な場合には政府が必要な財政上の措置を講ずるとしている。

貿易保険と海上保険の違い

貿易保険と似たようなものに「海上保険」がありますが、両者の違いは以下のようになっています。

●貿易保険

貿易保険は、企業等が行う海外取引(輸出・投資・融資)の輸出不能や代金回収不能をカバーする保険をいう。

・貨物が船積できないことをカバー
・貨物代金が決済されないことをカバー
・海外の投資先が事業不能になることをカバー
・海外への貸付金が返済されないことをカバー

●海上保険

海上保険は、船舶の沈没や座礁、衝突、火災、盗難など、航海に関する事故によって、船舶や貨物などに生じる損害の填補を目的とする損害保険をいう。また、保険の目的によって、「船舶保険」と「貨物保険」に大別される。

・船舶保険:船舶自体に生じた損害の填補を行う
・貨物保険:運送される貨物に生じた損害の填補を行う