グリーンローン

英語: Green Loan
分類: 融資

グリーンローン(Green Loan)は、環境に配慮したグリーンプロジェクトに提供される融資(ローン)をいいます。

2018年にローン・マーケット・アソシエーション(LMA)とアジア・パシフィック・ローン・マーケット・アソシエーション(APLMA)が公表した「グリーンローン原則(GLP)」により世界的に注目されるようになったもので、日本では、2020年に環境省が「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン」を公表しています。

ここでは、グリーンローンの概要について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

グリーンローンの概念

グリーンローンは、環境に配慮したグリーンプロジェクトに提供される融資で、グリーンローン原則や環境省のガイドラインでは、以下のように記されています。

グリーンローン原則の「グリーンローン」

グリーンローンとは、調達資金の全てが、新規または既存の適格なグリーンプロジェクトの全部または一部の初期投資又はリファイナンスのみに充当される様々な種類のローンである。

環境省のガイドラインの「グリーンローン」

グリーンローンとは、企業や地方自治体等が、国内外のグリーンプロジェクトに要する資金を調達する際に用いられる融資であり、具体的には、(1)調達資金の使途がグリーンプロジェクトに限定され、(2)調達資金が確実に追跡管理され、(3)それらについて融資後のレポーティングを通じ透明性が確保された融資である。

グリーンローンの主なメリット

グリーンローンは、借り手と貸し手と環境面等において、以下のようなメリットがあります。

借り手のメリット

・サステナビリティ経営の高度化が図れる
・グリーンプロジェクト推進に関する積極性のアピールを通じた社会的な支持が獲得できる
・新たな貸し手との関係構築による資金調達基盤の強化が図れる
・比較的好条件での資金調達が期待される

貸し手のメリット

・ESG金融の一つとしての融資であり、社会的な支持を得られる
・融資を通じた事業利益と環境面等からのメリットの両立を図れ、持続可能な社会の実現に貢献できる
・社会的に意義があり、需要の大きいグリーンプロジェクトへ融資を行うことができる
・借り手との深い対話を通じ、サステナビリティの向上を図れる

環境面等からのメリット

・ローンの実行により、地球環境の保全へ貢献できる
・グリーンプロジェクトの推進を通じ、社会・経済問題の解決に貢献できる
・グリーンローンの取り組みは、顧客への環境啓発になるほか、支持も得られ、取引面でプラスとなる

グリーンローン原則(GLP)のポイント

グリーンローン原則(GLP:Green Loan Principles)は、グリーンローン市場に対して一貫した評価プロセス手法を提供するために、適切な市場基準やガイドラインを創り、グリーンローン市場の秩序を確保することを目指しています。

また、国際資本市場協会(ICMA)によるグリーンボンド原則(GBP:Green Bond Principles)を参考にして策定された自主的ガイドラインであり、ローンの案件毎にグリーン性を評価するものとなっています。以下は、GLPが定める4項目及び外部評価です。

調達資金の使途

グリーンローンの基本的な決定要因は、調達資金がグリーンプロジェクトのために使われることであり、そのことは、融資書類やマーケティング資料などに適切に記載されるべきである。

また、グリーンローンは、ローンファシリティのうち、一つもしくは複数のトランシェで構成されることがある。この場合、借り手はグリーントランシェを明確に指定し、当該トランシェについて適切な方法で別勘定にて管理すべきである。

プロジェクトの評価と選定のプロセス

グリーンローンの借り手は、プロジェクトの評価及び選定について、以下の点を貸し手に明確に伝えるべきである。

・環境面での持続可能性に係る目標
・借り手が、対象となるプロジェクトが適格なグリーンプロジェクトの事業区分に含まれると判断するプロセス
・適格性についてのクライテリア

調達資金の管理

グリーンローンによって調達される資金は、専門勘定等で適切に管理し、透明性及び整合性を確保すべきである。

レポーティング

借り手は、資金使途に関する最新の情報を容易に入手可能な形で開示し、それを続けるべきであり、その情報は全ての借入金が引き出されるまで年に一度は更新し、かつそれ以降に重要な事象が生じた場合は必要に応じて開示し続けるべきである。

また、GLPでは、プロジェクトにより見込まれる効果について、定性的な指標と定量的な指標を、前提となる主要な方法論や仮定の開示と併せて使用することを推奨する。

外部評価(レビュー)

コンサルタント・レビュー、検証、認証、格付けなど、必要に応じて、外部機関による評価を適切に活用することを推奨する。