預貸率

読み方: よたいりつ
英語名: Loan deposit ratio
分類: 指標

預貸率は、銀行の経営指標の一つで、預金残高に対する貸出残高の割合(比率)をいいます。これは、銀行が集めた預金のどれだけが融資(貸出)に回っているかを示すもので、例えば、預金が10兆円で貸出金が8兆円であれば、預貸率は80%となります。また、預貸率が100%を下回った場合、全体の貸出額が全体の預金額を下回っていることを意味し、一方で預貸率が100%を超えた状態は「オーバーローン」と呼ばれます。

一般に預貸率の低下は、経済面において、景気にも負の影響を及ぼすと言われ、実際にバブル崩壊後の日本では、銀行の預貸率の低下が企業活動を圧迫して、長期の景気低迷につながった一つの要因とされています。また、銀行においては、余った資金をうまく運用できなれば、利払いがかさんで利益を圧迫することになります。

預貸率の概念

預貸率が預金残高に対する貸出残高の比率(パーセント表示)をいうのに対して、一定期間中の預金の増加額に対する貸出の増加額の比率を「限界預貸率」と言います。また、昨今では、預貸率の低下により、債券等の有価証券での資金運用も大きく増加していることから、貸出残高と有価証券残高とを合算したものを預金残高で割った「預貸証率」も、同様の観点からよく用いられます。

・預貸率が100%超:資金調達が必要
・預貸率が100%未満:資金余剰が発生
・預貸率が低下:資金需要が低迷 or 貸出を抑制
・預貸率が増加:貸出が活発化

日本の預貸率の現状

日本では、1990年代のバブル崩壊によって、企業の経営破綻が相次ぐなど不良債権問題が長く深刻化したため、銀行は貸し渋りや債権回収に走り、2003年に預貸率はついに100%を割り込みました。その後も、企業が将来不安や安全策から借入を抑え、また個人(家計)も安全性の高い預金を積み増した結果、銀行の預貸率は、今なお100%を大きく下回って推移しています。

ちなみに、海外でも、2008年の世界的な金融危機以降、しばらくの間、欧米の金融機関の預貸率の低下が進行しました。当時(2009年)、米国の大手銀と上位地銀を平均した預貸率は100%を割り込み、特に経営が安定し、預金が集まりやすい銀行ほど預貸率は低くなりました。