シャドーバンキング

英語名: Shadow Banking
分類: 業態俗称

シャドーバンキングは、「影の銀行」とも呼ばれ、通常の銀行ではなく、投資銀行(証券会社)やヘッジファンド、証券化のための特殊な運用会社などの金融業態の総称をいいます。これは、PIMCOのマネージング・ディレクターだったポール・マカリー氏の造語で、最初に彼がジャクソンホールでの講演で使用し、後に彼のレポートである「Global Central Bank Focus」の中でも紹介され、2007年頃から広まるようになりました。また、シャドーバンキングを活用した仕組みを「シャドーバンキングシステム」と言います。

一般にシャドーバンキングは、免許制などで金融当局から厳しく監督される通常の銀行と比べて規制が緩く、金融当局も実態をよく把握しきれていません。一方で、その仕組み面において、多額の資金を集めてレバレッジをかけられること、情報開示が不足していること(情報開示をしていないこと)、金融当局等が効果的に規制や介入ができないことなどが問題点として挙げられます。

欧米のシャドーバンキング

2000年代後半にサブプライム問題(2007年-2009年)が表面化する前に、欧米の大手金融機関が連結決算の対象から外せるペーパーカンパニーを相次ぎ設立し、シャドーバンキングを活用して多額の資金を調達・運用し、それが世界的な金融危機の一因になったとされます。また、世界的な金融危機直後のG20首脳会議で、金融危機の再発防止策として、シャドーバンキング規制の考えが打ち出されました(一部は実施)。

その後も、欧州債務危機など深刻な事態が起る度に議題に上がりましたが、過度な規制に対しては米金融業界やヘッジファンド業界などからの抵抗が強く、欧米の危機が一段落すると議論はいつの間にか立ち消えになりました。

中国のシャドーバンキング

2010年代になると、今度は中国の金融システムの問題として「シャドーバンキング」が世界的に再注目されるようになりました。具体的な対象としては、信託会社やファンド、貸金業者、質屋などが該当します。

その中でも、特に問題なのが、信託会社などが組成し、主に銀行の窓口で販売されている「理財商品(高利回りの資産運用商品)」で、集められた巨額の資金が代替金融(場外融資)で主に地方政府の投資プロジェクト(不動産開発・インフラ整備等)に流れ、リスクが拡散しているとのことです。

仮に、その投資プロジェクトが行き詰った場合、誰が損失リスクを負うのかが曖昧になっており(幅広い関係者が損失リスクを負う可能性があり)、最悪の場合、中国の金融システムを大きく揺るがす恐れがあると言われています。