クレジット・デリバティブ

英語名: Credit derivative
分類: クレジット・デリバティブ

クレジット・デリバティブは、「信用デリバティブ」とも呼ばれ、国や企業などの信用リスクを取引する金融派生商品の総称をいいます。これは、相対で取引されるオフバランス上の契約で、明示的に信用リスクを移転することが可能になっており、ローンや債券など広範な資産を対象とし、スワップやオプションなどの形態で取引するのが一般的となっています。

ここでは、信用リスクを取引する「クレジット・デリバティブ」について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

クレジット・デリバティブの概要

クレジット・デリバティブは、社債や国債、貸付債権などの信用リスクに着目し、これを定量化し、投資家同士で個別に条件を決めて行う取引です。元々は、信用リスクをヘッジする目的で開発され、保証対象の信用力を指標にして、将来に受け渡す損益を決め、スワップやオプションなどの形態で取引されます。

1990年代前半に米国でクレジット・デリバティブの取引が始まって以来、欧米を中心に順調に取引が拡大し、現在、クレジットデリバティブ市場は、世界の銀行や証券会社、保険会社、運用会社などが参加する巨大な市場となっています。なお、市場形態は、取引が相対で行われる店頭取引市場です。

クレジット・デリバティブの特色

クレジット・デリバティブは、多様なデリバティブ取引の中で、以下のような特色があります。

◎通常のデリバティブでは、市場リスクを売買するのに対して、クレジットデリバティブでは、信用リスクを売買する。

◎ローンや債券などの信用リスクを対象とし、債務不履行に対する保証だけではなく、業績悪化による信用力の低下といった状況を取引の対象とするものもある。

◎当事者間の合意で柔軟に取引条件を設定可能で、また顧客(融資先・投資先)に知られずに匿名で保証が受けられる。

◎スワップやオプションなどの取引形態を取り入れることで、商品設計が柔軟に行える(損益にレバレッジも掛けられる)。

クレジットリンク債のように、債券にクレジット・デリバティブを組み込むことで、転売しやすい商品を作ることができる。

相対取引であるため、取引条件は種々様々である一方、取引条件が標準化されていない。また、一部の商品を除けば、市場の流動性は高くない。

クレジット・デリバティブの種類

現在、クレジット・デリバティブの種類には、クレジット・デフォルト・スワップ(シングルネーム、ポートフォリオ、インデックス、シンセティック他)、トータル・リターン・スワップ、クレジット・スプレッド・オプションなどがあります。

クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)

クレジット・デフォルト・スワップは、「CDS」とも呼ばれ、社債や国債、貸付債権などの信用リスクに対して、保険の役割を果たすデリバティブ取引。その仕組みは、CDSの買い手は、債権者や投資家で、保証料を支払う代わりに、契約の対象となる債権が契約期間中に債務不履行となった場合、それによって生じる損失を保証してもらえる。一方で、CDSの売り手は、保証料を受け取る代わりに、万が一、債務不履行になった場合、買い手に対して損失分を支払うことになる。

トータル・リターン・スワップ

トータル・リターン・スワップは、プロテクション(デフォルトに対する保証)の買い手がリファレンス資産(参照資産)の経済的価値を、より安定したリターンと交換することによって、参照資産の保有に伴う信用リスクおよび市場リスクを売り手に有効に移転するデリバティブ取引。