飛ばし

読み方: とばし
分類: 企業会計

飛ばしは、決算対策のために、企業が保有する評価損(含み損)を抱えた有価証券(株式・債券等)を、一時的に第三者(他社)に転売することをいいます。

具体的には、企業が保有している株式・債券等が値下がりして、その含み損が貸借対照表(B/S)に載ることを避けるために、含み損の出ているものについて、買い戻し条件付きで、時価とかけ離れた価格で第三者に転売することを指します。

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飛ばしのスキームについて

飛ばしは、証券会社に間に入ってもらい、決算期の異なる企業を相手に、後日の金利付き引き取りを条件とし、時価より高い価格で売却するなどして、損失を決算書上において見えなくする(隠す)というスキーム(仕組み)です。

一般に飛ばしで転売を繰り返しても、時価が回復しない場合は、含み損がさらに膨らんでいき、状況はさらに悪化することになります。

飛ばしの過去と現在について

飛ばしは、1980年代までは、証券会社の損失補填の手段として、普通に利用されていました。その後、日本のバブル崩壊による企業の財テクの失敗などを背景に、1990年代には、証券業界を揺るがす一大不祥事として社会問題化しました。

そして、今日(現在)では、飛ばしは、粉飾決算の一つとして、金融商品取引法で禁じられています。

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