社会保険を管轄する役所は?

日本の社会保険制度は、2001年1月の中央省庁再編により、現在は、厚生労働省に一元管理されています。

かつては、厚生省と労働省に分かれた管轄でしたが、2001年に厚生省と労働省が統合したことで、全て厚生労働省の管轄となりました。これにより、厚生労働大臣が社会保険(狭義)と労働保険の両方の制度を管轄し、その権限を、労働基準局長や労働基準監督署長、公共職業安定所長、都道府県知事などに委譲しています。

ここでは、社会保険を管轄する役所について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

社会保険について

社会保険とは、国民等の生活保障のため、疾病や負傷、失業、老齢、死亡など、生活を脅かす事由が発生した場合、一定基準の給付を行う保険をいいます。これは、公的機関が運営しており、現在、医療保険や介護保険、年金、労働者災害補償保険、雇用保険などがあります。

|公的医療保険

病気やケガなどで医療機関に受診した際にかかる医療費の一部を負担してくれる保険制度。現在、日本では、全ての国民が本制度に加入することになっており、「国民皆保険制度」とも呼ばれる。

|公的介護保険

40歳以上の人が全て加入して介護保険料を納め、介護が必要になった場合に所定の介護サービスが受けられる保険制度。

|公的年金

国が運営する年金制度で、日本では「国民皆年金」と言って、20歳以上60歳未満の全ての国民が加入することになっている。現在、「国民年金」と「厚生年金」の二種類がある。

|労働者災害補償保険

労働者の業務上の事由または通勤による労働者の傷病等に対して必要な保険給付を行うと共に、被災労働者の社会復帰の促進等の事業を行う保険制度。

|雇用保険

労働者の生活及び雇用の安定と就職の促進のために、失業された方や教育訓練を受けられる方などに対して、失業等給付を支給する他に、雇用安定事業と能力開発事業も行う保険制度。

社会保険の管轄について

社会保険の管轄については、その内容から医療保険等と年金保険に分けられます。

|医療保険等の管轄

・国民健康保険:市町村、国民健康保険組合
・健康保険:全国健康保険協会、健康保険組合
・介護保険:市町村
・高齢者医療:後期高齢者医療広域連合

|年金保険の管轄

・国民年金:市町村
・厚生年金保険:日本年金機構、年金事務所

日本年金機構
国からの委任・委託を受けて、公的年金に係る一連の運営業務を行う非公務員型の公法人。

年金事務所
日本年金機構が運営する窓口機関。

労働保険の管轄について

労働保険の管轄については、その内容から労働者災害補償保険(労災保険)と雇用保険に分けられます。

・労災保険:都道府県労働局、労働基準監督署
・雇用保険:都道府県労働局、公共職業安定所

|都道府県労働局|
全ての都道府県に設置されている、厚生労働省の地方支分部局の一つで、労働基準監督署の上部組織にあたる。

|労働基準監督署|
労働基準法や労働契約法、最低賃金法など、管轄内の事業所が労働関係法令を守って運用しているかを監督する機関。

公共職業安定所
「ハローワーク」とも呼ばれ、民間の職業紹介事業等では就職へ結びつけることが難しい就職困難者を中心に支援する最後のセーフティネットとしての役割を担っている機関。

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