ニクソンショック

英語名: Nixon Shock
分類: 国際情勢|出来事

ニクソンショックは、アメリカ合衆国(米国)のリチャード・ニクソン大統領が1971年8月15日に、テレビとラジオで全米に向けて、新経済政策(減税と歳出削減、雇用促進策、価格政策の発動、金ドル交換停止、10%の輸入課徴金の導入)を電撃的に発表し、その中の「金ドル交換停止(金とドルとの固定比率での交換停止)」のことを主に指します。この金ドル交換停止は、米国議会にも事前に知らされておらず、極めて大きな驚き(サプライズ)を与え、またこれがグローバル経済に甚大な影響を与えたことから「ドルショック」とも呼ばれます。

1970年代初頭の米国は、ベトナム戦争などの影響で財政赤字が拡大すると共に、大幅な輸入超過で貿易赤字が大きく膨らんでいました。また、ドルが米国から大量に流出していき、ドル本位制による金とドルとの交換に応じられない状況に陥りつつあり、さらにドルに対する信任も大きく揺らいでいました。そういった状況の中で、ニクソン大統領が突然発表した「金ドル交換停止」は、ドル相場の切り下げを狙ったドル防衛策であり、これによって1944年から続いたブレトンウッズ体制(金とドルとの交換を前提とした固定相場制)が一気に崩壊しました。その後、世界的に混乱に陥った外国為替市場を安定化するため、同年12月にスミソニアン合意が成立し、スミソニアン体制によって再び固定相場制が試みられましたが、1973年にこれも崩壊し、主要国のほぼ全てが同年中に変動相場制へ移行することになりました。

一般にニクソンショックは、固定相場制度を終焉させ、グローバル経済に甚大な影響を与えたことから、世界経済や為替相場の歴史の中で一つの大きな出来事になっています。また、同年7月15日(一カ月前)に発表された「ニクソン訪中宣言(ニクソン大統領の中華人民共和国への訪問予告)」も、当時の国際情勢に大きな影響を与えたことから、ニクソンショックと呼ばれることがあります。両方とも、既存の世界秩序を変革する米国の大きな方針転換であり、世界史に刻まれた重要な出来事であると言えます。