日経平均株価(日経225)

読み方: にっけいへいきんかぶか
英語: Nikkei Stock Average(Nikkei225)
分類: 株価指数(日本)

日経平均株価(日経225)は、東京証券取引所のプライム市場に上場する銘柄の内、市場を代表する225銘柄を対象とした株価指数をいいます。

日本の株式市場を代表する株価指標(修正平均株価)で、「ダウ式平均」によって算出され、基本的には225銘柄の株価の平均値ですが、分母(除数)の修正等で株式分割や銘柄入替など市況変動以外の要因を除去して指数値の連続性を保っています。

ここでは、日本の代表的な株価指数である「日経平均株価(日経225)」について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

日経平均株価の算出方法

日経平均株価は、日本の株式市場を代表する225銘柄を対象とした修正平均株価で、旧額面制度を継承した「みなし額面」で換算した構成銘柄株価の合計金額を「除数」で割って算出します(2017年7月18日から5秒間隔で算出)。

日経225=225銘柄の株価合計(みなし額面50円相当に換算した採用銘柄の株価の合計)÷除数

◎対象銘柄は、東京証券取引所のプライム市場に上場する銘柄(親株式、内国株)から選定された225銘柄。ただし、ETF、REIT、優先出資証券、子会社連動配当株式などの普通株式以外を除く。

◎除数は、株価平均を算出する際に、市況変動によらない価格変動を調整し、連続性を維持するためのもの。

日経平均株価の歴史

1950年9月7日に東京証券取引所が「東証修正平均株価」の算出・公表を開始したことに始まり、1970年に日本経済新聞社グループが本指数の算出・公表を東京証券取引所から引き継ぎ、国内外の情報提供機関を通じて提供しています。

1986年9月には、日本の株価指数として、初めて先物取引がシンガポール取引所で始まり、その後、大阪証券取引所(現・大阪取引所)やシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)に先物・オプションが上場され、また2001年7月には、ETFが東京証券取引所に上場され、今日では、多様な取引で利用されています。

・1950年09月:東証が「東証修正平均株価」の算出・公表を開始
・1970年07月:日本経済新聞社グループが引き継ぐ
・1971年07月:日本短波放送(現・日経ラジオ社)が「NSB225種修正平均」の名称で算出・公表を開始
・1975年05月:日本経済新聞社がダウ・ジョーンズ社と独占契約し、「日経ダウ平均株価」として算出・公表を開始
・1985年05月:ダウ・ジョーンズ社と名称変更で合意し、「日経平均株価」となる
・1989年12月:取引時間中に史上最高値の38,957.44円をつける
・1990年10月:最高値からわずか9カ月で一時2万円割れ、バブル経済崩壊へ
・2001年07月:日経平均のETFが上場
・2001年09月:米国同時多発テロの翌日、1984年以来の1万円割れ
・2008年10月:取引時間中にバブル経済崩壊後の最安値の6,994.90円をつける
・2009年03月:終値ベースでバブル経済崩壊後の最安値の7,054.98円をつける
・2018年10月:終値ベースでバブル経済崩壊後の最高値の24,448.07円をつける
・2020年03月:コロナショックで急落し、終値ベースで16,358.19円の安値をつける
・2021年09月:コロナバブルが継続し、終値ベースでバブル経済崩壊後の最高値の30,795.78円をつける

※1949年5月16日の単純平均株価176円21銭を基準としてスタート。
※「東証修正平均株価」以前に使われたのは「東証平均株価」で、日本の戦後復興に伴う企業の増資が相次ぎ、銘柄入替が追い付かなくなり、「東証修正平均株価」に変更。

日経平均株価の記録

日経平均株価の過去の記録(価格水準等)を知ることは、株式投資をする上で一つの参考になります。

最高値と最安値(終値ベース)

・史上最高値:38,915.87円(1989/12/29)
・史上最安値:85.25円(1950/7/6)
・21世紀最高値:30,795.78円(2021/9/14)
・21世紀最安値:7,054.98円(2009/3/10)

上昇と下落

・1日の最大上昇幅:+2,676.55円(1990/10/2)
・1日の最大下落幅:-3,836.48円(1987/10/20)
・1日の最大上昇率:+14.15%(2008/10/14)
・1日の最大下落率:-14.90%(1987/10/20)

連騰日数と続落日数

・連騰:16営業日(2017/10/2-2017/10/24)
・続落:15営業日(1954/4/28-1954/5/18)

日経平均株価の採用銘柄一覧:2022年5月

日経平均株価では、算出対象となる225銘柄について、市場流動性やセクターバランスをもとに定期的に見直され、長期間にわたる継続性の維持と産業構造変化の的確な反映という二つの側面を満たしながら、市場流動性の高い銘柄で構成する株価指数を目指しています。

現在、その指標性を維持するために毎年1回、「定期見直し」で10月初めに構成銘柄の入替を行っています(見直しの結果、入替銘柄がない年もあり)。なお、採用銘柄が除外される場合は原則、同じセクターから臨時に補充します。

|医薬品の採用銘柄

協和キリン、武田、アステラス、住友ファーマ、塩野義、中外薬、エーザイ、第一三共、大塚HD

|電気機器の採用銘柄

ミネベア、日立、三菱電、富士電機、安川電、オムロン、GSユアサ、NEC、富士通、OKI、エプソン、パナHD、シャープ、ソニーG、TDK、アルプスアル、横河電、アドテスト、キーエンス、デンソー、カシオ、ファナック、京セラ、太陽誘電、スクリン、キヤノン、リコー、東エレク

|自動車の採用銘柄

日産自、いすゞ、トヨタ、日野自、三菱自、マツダ、ホンダ、スズキ、SUBARU、ヤマハ発

|精密機器の採用銘柄

テルモ、コニカミノル、ニコン、オリンパス、シチズン

|通信の採用銘柄

NTT、KDDI、SB、NTTデータ、SBG

|銀行の採用銘柄

コンコルディ、あおぞら銀、三菱UFJ、りそなHD、三井住友トラ、三井住友FG、千葉銀、ふくおかFG、静岡銀、みずほFG

|その他金融の採用銘柄

クレセゾン、オリックス、日本取引所

|証券の採用銘柄

大和、野村、松井

|保険の採用銘柄

SOMPO、MS&AD、第一生命HD、東京海上、T&D

|水産の採用銘柄

日水、マルハニチロ

|食品の採用銘柄

日清粉G、明治HD、日ハム、サッポロHD、アサヒ、キリンHD、宝HLD、キッコマン、味の素、ニチレイ、JT

|小売業の採用銘柄

Jフロント、三越伊勢丹、セブン&アイ、高島屋、丸井G、イオン、ファストリ

|サービスの採用銘柄

エムスリー、ディーエヌエ、ネクソン、電通グループ、ZHD、トレンド、サイバー、楽天グループ、リクルート、日本郵政、任天堂、東宝、セコム、コナミHD

|鉱業の採用銘柄

INPEX

|繊維の採用銘柄

東洋紡、ユニチカ、帝人、東レ

|パルプ・紙の採用銘柄

王子HD、日本紙

|化学の採用銘柄

クラレ、旭化成、昭電工、住友化、日産化、東ソー、トクヤマ、デンカ、信越化、三井化学、三菱ケミHD、UBE、花王、DIC、富士フイルム、資生堂、日東電

|石油の採用銘柄

出光興産、ENEOS

|ゴムの採用銘柄

浜ゴム、ブリヂストン

|窯業の採用銘柄

AGC、板硝子、日電硝、住友大阪、太平洋セメ、東海カ、TOTO、ガイシ

|鉄鋼の採用銘柄

日本製鉄、神戸鋼、JFE、大平金

|非鉄・金属の採用銘柄

SUMCO、日軽金HD、三井金、東邦鉛、三菱マ、住友鉱、DOWA、古河電、住友電、フジクラ

|商社の採用銘柄

双日、伊藤忠、丸紅、豊田通商、三井物、住友商、三菱商

|建設の採用銘柄

コムシスHD、大成建、大林組、清水建、長谷工、鹿島、ハウス、積ハウス、日揮HD

|機械の採用銘柄

日製鋼、オークマ、アマダ、コマツ、住友重、日立建機、クボタ、荏原、ダイキン、日精工、NTN、ジェイテクト、日立造、三菱重、IHI

|造船の採用銘柄

三井E&S、川重

|その他製造の採用銘柄

バンナムHD、凸版、大日印、ヤマハ

|不動産の採用銘柄

東急不HD、三井不、菱地所、東建物、住友不

|鉄道・バスの採用銘柄

東武、東急、小田急、京王、京成、JR東日本、JR西日本、JR東海

|陸運の採用銘柄

ヤマトHD、NXHD

|海運の採用銘柄

郵船、商船三井、川崎汽

|空運の採用銘柄

ANAHD

|倉庫の採用銘柄

三菱倉

|電力の採用銘柄

東電HD、中部電、関西電

|ガスの採用銘柄

東ガス、大ガス

日経平均株価のデリバティブ

日経平均株価を対象としたデリバティブ(株価指数先物取引、株価指数オプション取引)は、現在、国内の大阪取引所のほか、海外のシンガポール取引所とシカゴ・マーカンタイル取引所にも上場されています。

<大阪取引所の上場商品>

・日経225先物
・日経225mini
・日経225オプション

日経平均株価の関連指数

日経平均株価の関連指数として、トータルリターン指数、ボラティリティー指数、スマートベータ型指数、配当指数、内需・外需指数などがあります。

日経平均のトータルリターン指数

日経平均トータルリターン・インデックス
日経平均を構成する225銘柄の値動きだけでなく、各構成銘柄の配当も加味した場合のパフォーマンスを示す指数。

日経平均のボラティリティー指数

日経平均ボラティリティー・インデックス
投資家が日経平均の将来の変動をどのように想定しているかを表した指数。

日経平均ボラティリティー・インデックス先物指数
大阪取引所の日経平均VI先物を対象に、日経平均が先行きどれくらい大きく変動するかを示す先物価格を指数化したもの。

日経平均のスマートベータ型指数

日経平均高配当株50指数
日経平均構成銘柄のうち、配当利回りの高い50銘柄から構成される配当利回りウエート方式の指数。

日経平均の配当指数

日経平均・配当指数
日経平均(225銘柄)の配当金の確定を待って反映する指数。

日経平均・予想配当指数
日経平均(225銘柄)の予想配当額をもとに算出した指数。

日経平均の内需・外需指数

日経平均内需株50指数
日経平均の内需株の動向を表すことを目的に設計した指数。

日経平均外需株50指数
日経平均の外需株の動向を表すことを目的に設計した指数。

日経平均ストラテジー・インデックス・シリーズ

日経平均ストラテジー・インデックス・シリーズは、日経平均を基にした特定の投資戦略(ストラテジー)を取った場合の損益を指数化したもので、現在、以下の5つがあります。

日経平均カバードコール・インデックス
日経平均を対象に、投資戦略の一つである「カバードコール戦略」を行った場合の収益を表す指数。

日経平均リスクコントロール・インデックス
日経平均を対象に、日経平均よりも変動率を低く抑え、一定の水準内に収まるようにコントロールした指数。

日経平均レバレッジ・インデックス
日経平均の変動率の2倍の値動きになる指数。

日経平均インバース・インデックス
日経平均の変動と逆の動きとなる指数。

日経平均ダブルインバース・インデックス
日経平均の変動と2倍の逆(マイナス2倍)の動きとなる指数。