Google Pay(グーグルペイ)

Google Pay(グーグルペイ)とは、Googleが提供する決済サービスをいいます。これは、Apple(iPhone)のApple Payと似たようなもので、現在、非接触型決済を行う場合は、Google Walletを設定することで利用できるようになっています。

目次:コンテンツ構成

Google PayとGoogle Walletの関係

Google PayとGoogle Walletを一言で言えば、Google Payは「決済サービス」で、Google Walletは「ウォレットアプリ」です。これより、androidのスマホなどにおいて、ウォレットアプリのGoogle Walletを設定することで、決済サービスのGoogle Payが使えるという仕組みになっています。

Google PayとGoogle Walletの違い

Googleでは、Google PayとGoogle Walletの違いを以下のように説明しています。

◎Google Pay は、Google Payを利用できる場所であれば、オンライン、アプリ内、店舗でのタッチ決済で簡単にお支払いできる。

◎Googleウォレットは、保存したお支払い方法、パス、チケット、キー、身分証明書にすばやくアクセスできる、セキュリティとプライバシーが確保されたデジタルウォレット。

Google PayとApple Payの比較

androidのスマホも、iPhoneも、仕組みはほぼ同じで、電子マネーやクレジットカードなどをウォレットアプリに登録し、決済サービスを使う形になっています。また、どちらも、ウォレットを決済だけでなく、ポイントカードやチケット、パス、身分証明書、自動車キーなど、広く使う方向性となっています。

■android

Google Wallet(デジタルウォレット)で、Google Pay(決済サービス)を設定

■iPhone

Apple Wallet(デジタルウォレット)で、Apple Pay(決済サービス)を設定

グーグルペイ

Google Walletのアプリ

2023年3月に、アプリのアップデートと共に、Google Payアプリの名称が「Google Wallet(Googleウォレット)」に変更されました。今回の名称変更は、Googleのグローバル方針に基づくもので、海外では2022年7月から提供されており、日本では約半年遅れの提供となりました。

Google Walletが、従来のGoogle Payアプリと、一体どこが違うのかと言うと、コンセプトが大きく違うそうです。具体的には、Google Payアプリが決済中心のプロダクトだったのに対して、Google Walletは、財布の中に入っているものをデジタル化していくプロダクト(一元管理する統合サービス)を目指しているとのことです。

Google Walletとは何か

Google Wallet(Googleウォレット)とは、androidのスマホなどで利用できる、デジタルウォレットのアプリです。これは、Googleのサイトでは、電子マネー、クレジットカードまたはデビットカード、ポイントカード、各種チケット、搭乗券、自動車用デジタルキーを安全に保存できるデジタルウォレットと説明されています。

当初のGoogle Walletと、従来のGoogle Payアプリを比べた場合、インターフェースはある程度変わりましたが、一方で機能面では、まだそれ程大きく変わっておらず、今後の機能拡張やサービス対応などに期待という感じです。

また、Google Walletの安全性については、高度なセキュリティ機能と、操作が簡単なプライバシー管理機能が組み込まれているため、日々安全に利用できるようになっています。

Google Walletでできること

Google Wallet(Googleウォレット)は、財布の中に入っているものをデジタル化していくことを目指す、デジタルウォレットのアプリで、現在、以下のようなことができるようになっています。

■簡単かつ安全な支払いができる

Google Walletに、電子マネーやクレジットカード、デビットカードなどを登録することにより、スマホなどが財布代わりになって、非接触型決済サービスのGoogle Payで、簡単かつ安全な支払いができる。また、Google Walletでは、クレジットカードから電子マネーへのチャージができるほか、各種支払いの履歴も見ることができる。

■乗り物のパスを利用できる

Google Walletに、鉄道やバスの交通系ICカード、飛行機の搭乗券などのパスを登録することにより、スマホに入れて持ち歩くことができる。また、出発時刻に変更がある場合は、 Google検索から最新の情報を取得して、リアルタイムで把握することができる。

■ポイントカードをまとめて管理・利用できる

Google Walletに、ポイントカードを登録することにより、スマホでポイントカードを提示することができる。このポイントカードには2種類あって、1つはGoogleが公開しているAPIを実装することにより、デザイン面やポイント残高なども連携できるもので、またもう1つは、バーコードや会員番号を表示できる標準的なもの。

■ギフトカードを利用できる

Google Walletに、ギフトカードを登録することにより、スマホでギフトカードを利用できる。また、登録できるギフトカードについては、Google Walletのアプリ内のギフトカードの画面で検索できる。

■チケットを利用できる

Google Walletに、コンサートやスポーツ、映画、ミュージアム、テーマパークなどのチケットを登録することにより、スマホでチケットを提示することができる。

■自動車キーを利用できる

Google Walletに、自動車用デジタルキーを登録することにより、スマホで自動車用デジタルキーを利用することができる。

Google Payの決済サービス

Google Payとは、Googleが提供する決済サービスをいいます。これには、非接触型決済、インターネット決済、アプリ決済の3つがあります。

◎非接触型決済は、Google Walletに、電子マネーやクレジットカード、デビットカードなどを登録することにより、専用リーダー(端末)にスマホなどをかざして決済を行うことができるもの。

◎インターネット決済とアプリ決済は、Googleアカウントにクレジットカード情報を登録することにより、毎回、カード情報を入力することなく、支払い手続きを簡単に済ませられるもの。

現状では、Google Payのインターネット決済とアプリ決済は、利用できるところは、それほど多くないので、ここでは、Google Payの非接触型決済について、解説していきたいと思います。

Google Payの非接触型決済

Google Payの非接触型決済(タッチ決済)は、AndroidのスマホなどにインストールしたGoogle Walletに、電子マネーやクレジットカード、デビットカードなどを登録することにより、専用リーダー(端末)にスマホなどをかざして決済を行うことができるものです。

現在、Google Payで利用可能な電子マネーには、Suica、PASMO、nanaco、waon、楽天Edy、QUICPay、iDがあります。また、Google Payで利用可能なEMVコンタクトレスには、VISAタッチ決済、Mastercardタッチ決済があります。

※電子マネー:決済手段として電子化したお金
※EMVコンタクトレス:クレジットカードのタッチ決済

Google Payの位置づけ

Google Payは、モバイル決済において、電子マネーでもなく、コード決済でもなく、Google Walletに、電子マネーやクレジットカード、デビットカードなどを登録することにより利用できる、非接触型決済サービスです。

その位置づけは、登録した電子マネーやクレジットカードなどで非接触型決済ができる仕組みであり、またAndroidのスマホの拡張機能(選択制サービス)と認識するのがよいかと思います。

Google Payの特色

Google Payの特色について、二つほど簡単に説明したいと思います。

◎Google Payは、Google Walletで複数の電子マネーや複数のクレジットカードなどを登録し、まとめて管理・利用できる。そのため、決済シーンに合わせて、電子マネーやクレジットカードなどを適宜切り替えることができる。なお、複数のものを登録した場合は、日常的に一番よく使うものを、Google Walletでメインカードに設定して使う。

◎Google Payは、Apple Payと同様、クレジットカード大国のアメリカで開発されたものなので、本来は、クレジットカードを登録して、クレジット決済のEMVコンタクトレスで使うというものになっている。一方で、日本では、EMVコンタクトレスよりも先に電子マネーが誕生したため、電子マネーにも対応した独自仕様になっている。

※QUICPayやiDといった、ポストペイ型の電子マネーは、クレジットカードをスマホなどのタッチ決済で利用するために、電子マネーを介在させるという仕組みになっている。

Google Payの決済方法

Google Payの決済方法は、大きく分けて、「店頭でのタッチ決済」と「交通機関(電車・バス等)でのタッチ乗車」の二つがあります。

◎店頭でのタッチ決済では、電子マネーとEMVコンタクトレスの種類に関わらず同じで、利用するものを言って、専用リーダー(端末)にかざすだけで決済が完了する。例えば、電子マネーなら、「nanacoで」、「iDで」と言って、またEMVコンタクトレスなら、「VISAで」、「Mastercardで」と言う。

◎交通機関でのタッチ乗車では、SuicaなどをGoogle Walletに登録すれば、改札等の端末にかざすだけでスムーズに通過できるほか、定期券区間を除いた、運賃の自動精算も行われる。

Google PayのNFC

Google Payの非接触型決済の仕組みで重要な概念である「NFC」について、簡単に説明したいと思います。

NFCとは、「Near Field Communication」の略で、かざすだけで周辺機器との無線通信を可能にする近距離無線通信技術をいいます。これには、世界で普及している「Type A/B」や、ソニーが開発した「FeliCa(ファリカ)」などがあり、昨今、多くのスマホは、Type A/BとFeliCaに対応しています。

現在、Google Payの非接触型決済サービスは、クレジットカードのタッチ決済であるEMVコンタクトレスでは、世界標準のType A/Bの技術が採用されているのに対して、電子マネーでは、日本独自のFeliCaの技術が採用されています。

また、FeliCaの技術を採用する電子マネーを、スマホなどのAndroid端末で使うために必要なのが、FeliCaをコントロールする「おサイフケータイアプリ」です。Google Payでは、おサイフケータイアプリのFeliCaをコントロールする機能を利用しています。

Google Payの仕組み

そもそも何で、Google Payをスマホで利用すると、ICカードのように、タッチ決済やタッチ通過ができるのか、簡単に説明したいと思います。

その仕組みは意外とシンプルで、タッチする端末はどちらも同じで、またICカードにもスマホにも、ハード面では、同じような近距離無線通信のICチップとアンテナが内臓されているからです。

では、違いは何かというと、ICカードではICチップ内に、あらかじめソフトウェアが組み込まれているのに対して、スマホでは、Google Walletのアプリ(ソフトウェア)を入れて利用設定することで、同じように利用できるようになっています。

一般にスマホは、パソコン並みの性能があり、スマホに入れるアプリは高機能にすることができるので、複数の電子マネーやカードなどが管理・利用できるほか、様々な機能が利用できるようになっています。

利用上の注意点

Google PayとGoogle Walletを利用するにあたって、4つほど注意点を簡単に説明したいと思います。

利用条件

ウォレットアプリのGoogle Walletを利用するにあたっては、スマホなどの端末に、Android 7.0以降が必要で、またNFC(Felica、Type A/B)が搭載されていることが必要となります。

一方で、電子マネーなど、非接触型決済サービスのGoogle Payを利用するにあたっては、16歳以上のユーザーに限られ、未成年の場合は、保護者等による許可が必要です。

Google Walletの登録画面で戸惑う箇所

Google Walletの登録画面では、電子マネーやEMVコンタクトレスを登録する際に、「ウォレットに追加」の画面で、「電子マネー」と「クレジットやデビットカード」に分かれています。

これに関しては、電子マネーへの登録は、Suica、PASMO、nanaco、waon、楽天Edyといった、プリペイド型の電子マネーが対象となっています。

一方で、クレジットやデビットカードへの登録は、QUICPay、iDといった、ポストペイ型の電子マネーと、Visaタッチ決済、Mastercardタッチ決済といった、EMVコンタクトレスが対象となっています。ちなみに、ポストペイ型の電子マネーでは、間接的にクレジットカードを使うという仕組みになっています。

なお、クレジットカードによっては、QUICPayもしくはiDと、Visaタッチ決済もしくはMastercardタッチ決済の二つの登録が可能なものもあり、もし両方を登録する場合は、別々に登録することになります。

Google Walletに登録できるカード

Google Walletでは、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードが登録できますが、全てのカードが対応している訳ではないのでご注意ください(プリペイドカードは、クレジットカードでの登録)。

現在、Google Walletに登録できるカードの種類は、Googleウォレットヘルプの「サポートされているお支払い方法を確認する」のページに記載されています。

ちなみに、登録するカードによって、利用する電子マネーやEMVコンタクトレスが決まっており、また店頭での支払時には、利用する決済方法の呼称を言うことになるのでご注意ください。

Google PayとGoogle Walletのセキュリティ

Google PayとGoogle Walletは、Googleの強固なセキュリティで保護されています。例えば、非接触型決済では、決済時に実際のカード番号ではなく、暗号化されたバーチャルアカウント番号が送信されるようになっています。

一方で、いくら強固なセキュリティで保護されていても、スマホなどのデバイスを紛失した場合は、迅速な対応が必要になります。

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