アクティビスト

英語: Activist shareholder
分類: 株主

アクティビストは、「物言う株主」とも呼ばれ、株主としての権利を積極的に行使して、会社に影響力を及ぼし、会社を変えていこうとする投資家の総称をいいます。

投資先企業の経営陣に対して、経営・資本戦略などを提案することで、投資先企業の価値を高めて最終的な利益を得えようとする者であり、その提案内容は、増配等の株主還元や事業売却、経営陣の刷新など多岐に渡ります。

ちなみに、アクティビストとは、本来、「活動家」を意味し、また経済分野においては、積極財政論者を「アクティビスト」と呼ぶこともあります。

目次:コンテンツ構成

アクティビストの概要

アクティビストは、株主としての権利を積極的に行使し、投資先企業の価値が向上するように経営の見直しを求める投資家の総称をいいます。

その代表例として、投資家から資金を集めて高い利回りを狙う「投資ファンド」や、多額の資金を運用する「年金基金」などが挙げられます。また、広義には、保険会社・信託銀行等の機関投資家や民間株を保有する地方自治体なども該当します。

なお、M&Aに関わる投資ファンドの中で、積極的なアクティビストとして活動するファンドを「アクティビストファンド」と言います。

アクティビストの行動

アクティビストは、株式を一定程度取得した上で、その保有株式を裏づけとして、投資先企業の経営陣に対して、対話・交渉のほか、株主提案権の行使、会社提案議案の否決に向けた委任状勧誘など、積極的に提言等を行い、また企業価値を向上させるために経営改革を積極的に働きかけるといった役割を果たします。

現在、穏健派から強硬派まで様々で、また目的や手法も様々ですが、具体的な要求としては、手元資金の活用、コストの削減、事業の選択と集中、低収益事業の売却、高収益事業の買収・合併、改革消極派の役員退任、改革推進派の役員選任などが挙げられます。

アクティビストの現況

その昔、日本において、アクティビストは、投資先との対決姿勢から異端と見られることも多かったですが、昨今では、高い運用利回りを求める年金基金をはじめとした機関投資家の支持を集めて、要求したとおりの改革が実現することも少なくありません。その背景として、金融規制改革などにより、株主の力が増したことが大きいです。

また、昨今では、株式の保有割合が低くても、投資先企業に対して、積極的に提言を行うケースも増えています。

iFinancial TV