産業空洞化

読み方: さんぎょうくうどうか
分類: 日本経済|概念

産業空洞化は、ある国において、自国企業の生産拠点が海外に移転することにより、国内産業が衰退していく現象をいいます。これは、日本においては、1985年のプラザ合意の後、急激な円高により価格競争力が大きく低下した、自動車・電機・機械・化学等の製造業(輸出企業)が海外現地生産を本格化させたのが始まりで、以降、円高の何度かの進行や新興国(中国や東南アジアなど)の急成長もあり、特にグローバル企業においては、世界的な製造拠点の最適化という流れは止まっていません。また、米国をはじめとした英語圏の先進国では、製造業だけでなく、コールセンターや事務などのサービス業も人件費の安い英語圏の国に外注され、空洞化が起こっています。

一般に産業空洞化の問題点として、ミクロでは工場等の撤退による雇用機会の減少、またマクロでは主要産業の衰退が地域経済の衰退やGDP成長率の低下につながることなどが挙げられます。なお、人口減少時代に入った日本の場合、国内需要が限られる上、人手不足の問題もあり、単純に円安になれば国内に工場が戻ってくる訳ではなく、時代に合った「産業構造の転換」の方がむしろ重要となっています(労働力の受け皿となる「新規産業」やインバウンド消費が期待できる「観光業」などは一つの解決策)。