ルーニー・ルール

ルーニー・ルール（Rooney Rule）は、2003年にアメリカ合衆国のNFL（ナショナル・フットボール・リーグ）で制定された、各チームがヘッドコーチやゼネラルマネジャーなど要職の人選の際に、黒人や少数民族の候補者を必ず含めなければならないという規則をいいます。

2002年にNFLのタンパベイ・バッカニアーズとミネソタ・バイキングスの各々の黒人ヘッドコーチが、好成績を残しているにもかかわらず解雇されことが大きな批判を浴びたのを背景に、NFLのピッツバーグ・スティーラーズ会長で、連盟の人種多様化委員会委員長を務めるなど、本規則の制定を先導したダン・ルーニー氏にちなんで名づけられました。

一般にルーニー・ルールは、黒人の人権促進の契機となった「アファーマティブ・アクション（差別是正措置）」の一つと言ってもよく、また昨今では、経済の生産性を高めると共に、社会的公平性を保つという観点から、米国の労働市場での経営者と被雇用者の多様化が注目されています。

このような背景から、一部の企業では、従業員の多様化促進策の一環として、本規則に似た採用手法を導入しているところもあります。