信託財産留保額

読み方: しんたくざいさんりゅうほがく
分類: コスト

信託財産留保額は、「信託財産留保金」とも呼ばれ、投資信託(ファンド)の追加設定や途中解約の際に発生する費用をいいます。

信託期間の途中に買い付けたり、途中に換金したりする場合に、ファンドの運用の安定性を保つと同時に、長期に保有する受益者との公平性を確保するために信託財産中に留保されるもので、また一種のペナルティ的な位置付けとして、短期間での換金を抑制する目的もあります。

例えば、ファンドの解約があると、信託財産から解約金を返すことになりますが、ファンドは有価証券等で運用されているため、組み入れた有価証券等を売却しなければならず、他の受益者との公平性の観点から、それに要するコストを解約する人も負担することが必要になります。

なお、信託財産留保額として徴収されたものは、信託財産内に留保され、基準価額などに反映されますが、販売会社や投信会社の収益にはなりません。

単位型投資信託については、途中換金の際に予め信託約款で定められた所定の金額が信託財産留保額として控除される。

追加型投資信託については、途中換金時に限らず、追加設定時に信託財産留保額を徴収するものや、MMFや中国ファンドなどのように買付時から一定期間内に換金した場合に限り信託財産留保額を徴収するものなどがあるほか、ファンドによっては、一切徴収しないもの、保有期間によって軽減するもの、一定期間保有すれば徴収されないものなどもある。

※通常、換金価額は基準価額であるが、信託財産留保額がある投資信託の場合は、基準価額からこれを引いた額が換金価額となる。

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