ドル化

読み方: どるか
英語: Dollarization
分類: 通貨制度

ドル化は、「ダラライゼーション(dollarization)」とも呼ばれ、一国の領域内において、米ドルが自国通貨と並存して、もしくは自国通貨に替わって利用される現象をいいます。

また、ドル化と同様の概念として、一国の領域内において、ユーロが自国通貨と並存して、もしくは自国通貨に替わって利用される現象を「ユーロ化(euroization)」と言います。

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非公式的なドル化と公式的なドル化

ドル化には、当該国政府による法的・制度的な措置がなく、法定通貨としての地位がないまま、米ドルが利用される「非公式的なドル化(unofficial dollarization)」と、当該国政府が米ドルの法定通貨としての地位を認め、米ドルが自国通貨と並存もしくは自国通貨に替わって利用される「公式的なドル化(official dollarization)」の二つがあります。

ドル化の基本的な仕組み

非公式的なドル化は、政治的混乱や経済的混乱に陥っている諸国において、自国通貨への信認が極端に低下している際に、自然発生的に起こるケースが多いです。一方で、公式的なドル化は、当該国政府が米ドルを法定通貨として認めることにより、自国内で米ドルが利用されるようになるものです(政府が取りうる政策的なオプション)。

ちなみに、自国通貨を完全に廃止する場合を「完全なドル化(full dollarization)」、また導入する米ドルを発行する米国の承認を得ずに実施する場合を「一方的なドル化(unilateral dollarization)」と呼称することもあります。

世界のドル化の代表例

世界のドル化の代表例として、以下が挙げられます。

・パナマは、1903年の独立の際に米ドルを法定通貨とした。
・ブラジルやアルゼンチンは、通貨危機に瀕した1990年代に事実上のドル化政策を実施した。
・エクアドルは、2000年に経済危機打開のために完全なドル化を実施した。
・エルサルバドルは、2001年に米ドルに対して自国通貨と並ぶ法定通貨としての地位を認めた。
・グアテマラは、2001年に自国通貨ケツァルと共に米ドルの使用を認める二重通貨制へと移行した。

公式的なドル化のメリットとデメリット

公式的なドル化のメリットとデメリットとして、以下が挙げられます。

主なメリット

・為替切り下げリスクの消失
・インフレ率の低下
・国内金利の低下
・取引コストの低下
・財政拡大政策に対する歯止め
・国際金融市場へのアクセスの容易化

主なデメリット

・独自の金融政策の喪失
・自国の中央銀行による最後の貸し手機能の喪失
・自国通貨の放棄によるシニョレッジ(通貨発行益)の喪失
・為替相場の変動を通じた調整機能の喪失