クリームスキミング

英語名: Cream skimming
分類: 概念

クリームスキミングは、ある分野の市場(需要)において、いいとこ取りをすることをいいます。これは、元々は、様々な成分からなる牛乳(原乳)から、最も美味しくて高価なクリーム部分だけをすくい取ることを意味する「skimming the Cream」が転じて、需要のうち、最も儲かる(利潤の多い)部分にのみ、商品・サービスを提供することを指します。

一般にクリームスキミングは、電力やガス、水道、通信、運輸、交通、医療、教育、福祉など公共性の高い産業分野において、規制緩和や規制撤廃によって、新規参入事業者が収益性の高い部分にのみ集中する場合に見られます。また、野放図なクリームスキミングが起きると、低収益部分も含めて、オールラウンドに提供してきた既存事業者の業績が悪化し、ユニバーサルサービスを維持するのが困難になることがあります。

<クリームスキミングの例>

例えば、規制緩和によって、路線バスの新規参入事業者が、最も需要の高いドル箱路線に、最も混雑する平日朝夕ラッシュ時のみ運行するといったケースが挙げられる。一方で、従来は、行政が既存事業者に対して、高収益路線のある程度の独占や寡占を認める代わりに、収益性の低い路線や時間帯も抱き合わせで維持するように規制してきた。

適度な競争によって、新規事業者と既存事業者が共存でき、利用者にメリットがあればいいが、野放図なクリームスキミングが起きると、既存事業者が低収益路線を維持できなくなり、結果として、地域の交通網の崩壊を招く場合もある。