カルパース（CalPERS）

カルパース（CalPERS）は、日本語では「カリフォルニア州職員退職年金基金」と訳され、全米で第１位の規模を誇る、アメリカ合衆国のカリフォルニア州の公務員の公的年金基金をいいます。

世界的に有名な機関投資家として知られ、現在、カリフォルニア州に雇用されている労働者、学校の職員、連邦のカリフォルニア州の支部等の職員ならびにそれらの退職者でもって構成されており、また運営にあたっては、透明性を徹底したオープンな対話型組織となっています。

ちなみに、全米第２位は、カリフォルニア州の教職員退職年金基金である「カルスターズ（California State Teachers' Retirement System＝CALSTRS）」で、教職員向けでは全米最大となっています。

目次：コンテンツ構成

• カルパース（CalPERS）の最高意思決定機関
• カルパース（CalPERS）の運用手法と運用実績

カルパース（CalPERS）の最高意思決定機関

カルパース（CalPERS）の最高意思決定機関である理事会は、13人の理事で構成されています。

現在、その内の6人は選挙で選ばれ、政府代表、官公庁代表、学校代表、退職者代表が各一人ずつ、残り2人は横断的に選出されます（任期4年）。

一方で、選挙以外の7人については、3人は政府機関からの指名（州知事が2人、州議会が1人を指名）で、また残り4人は、州政府高官（州財務長官、州会計長官、州人事長官、州人事委員会代表者）が自動的に就任します。

カルパース（CalPERS）の運用手法と運用実績

カルパース（CalPERS）は、全米最大を誇る巨額な資金と積極的な運用姿勢からグローバルに投資し、日本でも相当数の上場企業に投資しています。

昨今では、ESG（環境・社会・ガバナンス）への取り組みを評価する「ESG投資」を積極的に行っており、また投資先企業に対して業績が芳しくない場合やESGで問題のある場合には「物言う株主」として株主提案や議決権行使などを通じて変革を求める姿勢をとっています。

一方で、マーケットにおいては、運用金額が桁違いに大きいことから、その資金が次にどこへ投資されるのか、世界中の金融関係者や投資家などが常に注目しています。

◎1990年代からの投資収益率は、民間や公的年金の平均を共に上回っている。

◎プライベートエクイティ投資や不動産投資、ヘッジファンド投資などのオルタナティブ投資も積極的に行っており、優れた運用実績を上げている。