加重平均

読み方: かじゅうへいきん
英語: Weighted Average
分類: 運用理論

加重平均は、「荷重平均」や「重みつき平均」とも呼ばれ、軽重の度合(ウェイト)を考慮に入れて求めた平均をいいます。これは、平均する各項の条件の違いを考慮に入れ、対応する重み(大小)をつけてから平均するもので、その概念は、社会全般において広く用いられています。

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平均とは何か?

平均とは、利用するデータから、その散らばり具合を「平らに均すことによって得られる数値」をいい、具体的な種類には、算出平均や加重平均、移動平均、相乗平均、調和平均などがあります。

|算術平均|
「単純平均」や「相加平均」とも呼ばれ、n個の数値がある時、それらを全部加えたものを、nで割って得られた数値をいう。

|加重平均|
各項の数値に、その重要度に比例した係数を掛け、各項に重みをつけてから平均すること、およびその計算で得られた数値をいう。

|移動平均|
一定期間の間隔を定め、その間隔内の平均値を連続して計算することによって、趨勢的な傾向を知ろうとするものをいう。

|相乗平均|
「幾何平均」とも呼ばれ、n個の数値がある時、それらを全部掛け合わせた積のn乗根をいう。

|調和平均|
いくつかの数がある時、それぞれの数の逆数の算術平均(相加平均)の逆数をいう。

単純平均と加重平均の違い

単純平均は、変量を全て加えてデータ数で割った平均をいうのに対して、加重平均は、各変量の重み(ウェイト)を加味した平均をいいます。

例えば、株式投資において、同じ銘柄を3回に分けて、株価が700円の時に1000株、600円の時に2000株、500円の時に3000株を購入したとします。

この場合、3回の株価の平均は、(700+600+500)÷3=600円であるのに対して、実際に購入した平均株価(手数料等は考慮せず)は、{(700×1000)+(600×2000)+(500×3000)}÷6000=567円(四捨五入)であり、前者の600円が「単純平均」、後者の567円が「加重平均」の算出値となります。

資産運用における加重平均

加重平均は、資産運用において、以下のような概念で用いられています。

加重平均株価

加重平均株価は、単純平均株価の算式に、上場株式数等のウェイトを反映させる方法で算出された平均株価(発行済株式数でウェイト付けした平均株価)です。また、本概念を用いて算出した、指数の構成銘柄の時価総額の合計値を基準時点での時価総額合計で割った値を「時価加重平均株価指数」と言います。

例えば、日本の代表的な株価指数である「東証株価指数(TOPIX)」は、各銘柄の時価総額を反映させた方式で算出されており、時価総額の大きな銘柄の株価が10円動いた方が、時価総額が小さな(10分の1の)銘柄の株価が50円動いた場合よりも、指数に与える影響が大きくなっています。

加重平均資本コスト

加重平均資本コストは、「WACC(Weighted Average Cost of Capital)」とも呼ばれ、株主資本コストと負債資本コストを加重平均したものをいいます(金利と同様、%で表示)。これは、株主や金融機関等から資金調達するのに必要なコストであり、ローンや社債の金利、株式の配当やキャピタルゲインを数値化したものとなっています。

|加重平均利回り

加重平均利回りは、株式の時価総額に対する配当金総額の割合をパーセント(%)表示したものをいいます。これは、1株当たりの平均配当金額を単純平均株価で割った単純平均利回りに、上場株式数によるウェイト付けをしたものとなっています。

加重平均利回り(%)=(配当金総額÷時価総額)×100

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