アジア開発銀行(ADB)

読み方: あじあかいはつぎんこう
英語: Asian Development Bank(ADB)
分類: 国際機関

アジア開発銀行(ADB)は、貧困層に配慮した持続可能な経済成長や社会開発、グッド・ガバナンスを通して、アジア・太平洋地域における貧困削減を目指す、67カ国の加盟国からなる国際開発金融機関をいいます(本部はフィリピンのマニラ)。

第1回アジア経済協力閣僚会議において設立が決議され、1966年に正式に発足し、また日本は設立準備段階より参画する原加盟国で、米国と並んで最大の出資国となっています。

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アジア開発銀行(ADB)の事業の仕組み

アジア開発銀行(ADB)の主な機能は、(1)開発途上加盟国に対する資金の貸付・株式投資、(2)開発プロジェクト・開発プログラムの準備・執行のための技術支援及び助言業務、(3)開発目的のための公的・民間支援の促進、(4)開発途上加盟国の開発政策調整支援などとなっています。

現在、アジア開発銀行(ADB)では、各国の開発戦略に基づき、様々なプロジェクトやプログラムを策定し、それを実行するための資金および開発のためのノウハウの提供や政策対話等を通じて、途上国へ支援を行っています。

◎ADBの案件の実施にあたっては、ADBが融資借入国との協議の上、プロジェクト・プログラムを策定し、ADBの理事会において審査・決定がなされ、その事業を実施している。

◎ADBの事業の財源には、比較的所得の高い開発途上加盟国への融資業務に使用される「通常資本財源(OCR)」と、低所得国向けに緩和された条件で融資業務に使用される「アジア開発基金(ADF)」があるほか、加盟国からの拠出金とOCRおよびADFからの配分金からなる「技術援助特別基金(TASF)」があり、技術援助に用いられている。

◎ADBは、国内外の資本市場をリードするトリプルA格の債券発行体であり、また日本でもADB債が発行されており、個人でも投資が可能になっている。

アジア開発銀行(ADB)の組織と日本の位置づけ

アジア開発銀行(ADB)の最高意思決定機関は、各加盟国の総務により構成される「総務会(Board of Governors)」で、日本は財務大臣が総務に任命されています。

また、融資の承認など、日常業務の意思決定は12人の理事(域内国8人、域外国4人)からなる「理事会」で行われており、日本からは単独で理事が選出されています。

ちなみに、発足以来、歴代総裁は全て日本人となっています。

1.渡辺武:1967年11月-1972年11月
2.井上四郎:1972年11月-1976年11月
3.吉田太郎一:1976年11月-1981年11月
4.藤岡眞佐夫:1981年11月-1989年11月
5.垂水公正:1989年11月-1993年11月
6.佐藤光夫:1993年11月-1999年1月
7.千野忠男:1999年1月-2005年2月
8.黒田東彦:2005年2月-2013年3月
9.中尾武彦:2013年4月-2020年1月
10.浅川雅嗣:2020年1月-現在